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国立西洋美術館が初の現代美術展を開催 - 内藤礼やパープルームなど21組が参加、美術館の意義を再考

企画展「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?──国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ」が、東京・上野の国立西洋美術館にて、2024年3月12日(火)から5月12日(日)まで開催される。

国内外で活躍する現代アーティスト21組とコラボ

梅津庸一 《フロレアル─汚い光に混じった大きな花粉》 2012-14年
油彩/パネル、角材、照明カバー、樹脂、吸水マット、照明機材用スタンド、ハンドクリーム容器 愛知県美術館蔵
梅津庸一 《フロレアル─汚い光に混じった大きな花粉》 2012-14年
油彩/パネル、角材、照明カバー、樹脂、吸水マット、照明機材用スタンド、ハンドクリーム容器 愛知県美術館蔵

企画展「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?──国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ」は、国内外で活躍する現代アーティスト21組とのコラボレーションによる展覧会だ。1959年に国立西洋美術館が開館して以来、初となる現代美術展となる。

クロード・モネ 《睡蓮、柳の反映》 1916年
油彩、カンヴァス 国立西洋美術館蔵 松方幸次郎氏御遺族より寄贈(旧松方コレクション)
クロード・モネ 《睡蓮、柳の反映》 1916年
油彩、カンヴァス 国立西洋美術館蔵 松方幸次郎氏御遺族より寄贈(旧松方コレクション)

国立西洋美術館は、近代日本の実業家・松方幸次郎の収集による「松方コレクション」を核としている。松方は、日本の若い画家に本物の西洋美術を見せるため、膨大な数の美術品を集めたのであった。また、館の創設に協力した洋画家・安井曾太郎は、松方コレクションの「恩恵を受ける」のは、誰よりも自分たち美術家であると考えていたという。このように国立西洋美術館は、アーティストの制作を触発する存在であることが期待されていたのだ。

中林忠良 《転位’04-地-I》 2004年
エッチング、アクアチント、ドライポイント 作家蔵
中林忠良 《転位’04-地-I》 2004年
エッチング、アクアチント、ドライポイント 作家蔵

本展では、このような館設立の原点に着目し、現代アーティストが国立西洋美術館の所蔵作品に着想して制作した新作や、美術館という場所の意義を問い直す作品などを展示。現代アーティストからは、梅津庸一、遠藤麻衣、小沢剛、小田原のどか、田中功起、内藤礼、長島有里枝、パープルーム、布施琳太郎などが参加予定だ。

日本の中の「西洋美術館」

小沢剛 《帰ってきたペインターF ─ Painter F Song》 2015年
ビデオ 12分8秒 森美術館蔵
小沢剛 《帰ってきたペインターF ─ Painter F Song》 2015年
ビデオ 12分8秒 森美術館蔵

国立西洋美術館は、世界各地の美術館や美術史において、西洋中心主義から脱する動きが進むなかにあっても、原則として「西洋美術」のみを蒐集・保存・展示の対象とせざるをえない。たとえば、藤田嗣治の作品は、あくまで「西洋美術」の例として捉えられることになる。本展では、同館が所蔵する藤田の作品を、小沢剛が2015年に制作した《帰ってきたペインターF》とともに展示することなどを通して、国立西洋美術館の蒐集・展示の枠組みを問い直すことを試みる。

美術館と“多様な性・生”

鷹野隆大 《Kikuo (1999.09.17.Lbw.#16) 「ヨコたわるラフ」シリーズより》 1999年
ゼラチン・シルバー・プリント Courtesy of Yumiko Chiba Associates ©Takano Ryudai
鷹野隆大 《Kikuo (1999.09.17.Lbw.#16) 「ヨコたわるラフ」シリーズより》 1999年
ゼラチン・シルバー・プリント Courtesy of Yumiko Chiba Associates ©Takano Ryudai

国立西洋美術館のコレクションは、西洋美術を軸とするため、白人男性の美術家による作品が中心となっている。また、美術館の展示空間は、鑑賞者の身体を生活空間から切り離すことになる。本展では、国立西洋美術館における性・生の多様な可能性に着目。ミヤギフトシは、セクシュアル・マイノリティに目を向けた映像作品を制作する一方、鷹野隆大は「作品が現代の生活空間にある状況」を想定し、イケア(IKEA)の家具を並べた展示室内に、同館の所蔵作品と自身の写真作品を併置する。

美術館における“作品の生”

竹村京 《修復されたC.M.の1916年の睡蓮》(部分、制作過程) 2023-24年
釡糸、絹オーガンジー、カラープリント 作家蔵
竹村京 《修復されたC.M.の1916年の睡蓮》(部分、制作過程) 2023-24年
釡糸、絹オーガンジー、カラープリント 作家蔵

美術館は、作品を未来へと残すことを目指す場所である。この時、たとえその作品がそのままの姿で伝えられることを望もうとも、物質である作品は緩慢ながらも変化せざるをえない。本展で竹村京は、クロード・モネの《睡蓮、柳の反映》に着目。同作は、2016年にルーヴル美術館で大きく破損した状態で発見されたのち、国立西洋美術館の所蔵となり、最低限の保存処置のみを施して展示されている。竹村は、この絵画の欠損部分を絹糸で想像的に補完する作品を発表する。

展覧会概要

企画展「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?──国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ」
会期:2024年3月12日(火)〜5月12日(日)
会場:国立西洋美術館 企画展示室
住所:東京都台東区上野公園7-7
開館時間:9:30~17:30(金・土曜日は9:30~20:00)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(3月25日(月)、4月29日(月・祝)、5月6日(月・振)は開館)、5月7日(火)
観覧料:一般 2,000円、大学生 1,300円、高校生 1,000円、中学生以下 無料
※心身障害者および付添者1名は無料
※高校・大学生、無料観覧対象者は、入館時に学生証や年齢の確認できるもの、障害者手帳を提示
※観覧当日にかぎり、本展観覧券で常設展も観覧可

■参加アーティスト
飯山由貴、梅津庸一、遠藤麻衣、小沢剛、小田原のどか、坂本夏子、杉戸洋、鷹野隆大、竹村京、田中功起、辰野登恵子、エレナ・トゥタッチコワ、内藤礼、中林忠良、長島有里枝、パープルーム(梅津庸一+安藤裕美+續橋仁子+星川あさこ+わきもとさき)、布施琳太郎、松浦寿夫、ミヤギフトシ、ユアサエボシ、弓指寛治

■同時期開催
小企画展「真理はよみがえるだろうか:ゴヤ〈戦争の惨禍〉全場面
会期:2024年2月27日(火)〜5月26日(日)
会場:新館 版画素描展示室

【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)

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