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フランス美術“信仰と社会”からたどる展覧会が宇都宮美術館で、ドラクロワからマグリットまで一堂に

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企画展「ライシテからみるフランス美術 ——信仰の光と理性の光」が、栃木の宇都宮美術館にて、2025年10月12日(日)から12月21日(日)まで開催される。その後、三重県立美術館に巡回する。

フランス美術を育んだ“信仰と社会の変化”

ルネ・マグリット 《大家族》 1963年 宇都宮美術館
ルネ・マグリット 《大家族》 1963年 宇都宮美術館

企画展「ライシテからみるフランス美術 ——信仰の光と理性の光」は、フランス革命から20世紀半ばにかけてのフランス美術を、それを育んだ信仰や社会の変化に着目しつつ紹介する展覧会だ。とりわけ、フランス独特の政教分離のあり方である「ライシテ」を鍵に、フランス美術の背景に光を当ててゆく。

神の威光か、理性の光か

ジャン=フランソワ・ミレー 《無原罪の聖母》 1858年 山梨県立美術館
ジャン=フランソワ・ミレー 《無原罪の聖母》 1858年 山梨県立美術館

フランスでは、キリスト教の神の威光に支えられたブルボン朝が約200年にわたって続いてきたものの、18世紀末にフランス革命が勃発し、新たな時代を照らす光を人間の理性に見出そうとした。しかし、政敵を残虐な手段で圧制する恐怖政治へと陥り、安定した社会が実現することはなかった。その後19世紀に入ると、ナポレオンの時代を経て、ブルボン朝が復活したのであった。

ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ 《愛国(習作)》 1893年頃 公益財団法人大原芸術財団 大原美術館
ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ 《愛国(習作)》 1893年頃
公益財団法人大原芸術財団 大原美術館

王政のもと、フランス社会は一定の秩序を取り戻したものの、フランスはカトリックの威光のもとに戻るのか、あるいは理性の光を求める革命の意志を継ぐのか、という問いが突きつけられることとなる。フランス社会がこの問いのもとで揺れ動くなか、美術もまた変容を遂げていった。絶対的な指針が失われた時代にあって美術家は、何をどのように描くのか、美術を美術たらしめる力はどこにあるのかを問わねばならなかったのだ。

国内のフランス美術作品が一堂に

ウジェーヌ・ドラクロワ 《聖母の教育》 1852年 国立西洋美術館、東京国立博物館より管理換え
ウジェーヌ・ドラクロワ 《聖母の教育》 1852年
国立西洋美術館、東京国立博物館より管理換え

本展では、こうした背景のもとに展開していった、フランス革命から第二次世界大戦後にかけてのフランス美術を紹介。ウジェーヌ・ドラクロワ《聖母の教育》、ジャン=フランソワ・ミレー《無原罪の聖母》、ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ《聖ジュヌヴィエーヴの幼少期》、アレクサンドル・カバネル《エステル女王》、クロード・モネ《ラ・ロシュ=ブロンの村(夕暮れの印象)》、そしてルネ・マグリット《大家族》など、国内美術館が所蔵するフランス美術の作品を一堂に集めて展示する。

「ライシテ」から探るフランスの美術と社会

モーリス・ユトリロ 《旗で飾られたモンマルトルのサクレ=クール寺院》 1919年 埼玉県立近代美術館
モーリス・ユトリロ 《旗で飾られたモンマルトルのサクレ=クール寺院》 1919年 埼玉県立近代美術館

キーワードとなるのが、今日のフランスの根幹にある「ライシテ」の概念だ。つまり、国家は宗教的に中立の立場をとり、市民は公的な場では宗教的なふるまいを控えることが求められるものの、個人としては信仰の自由が保障されているのだ。このように「ライシテ」は、さまざまな背景を持つ人々がともに生きる社会を叶えるための原則であるといえる。本展では、「ライシテ」に光を当てつつ、美術作品を歴史的・思想的な背景も含めて紹介する。

展覧会概要

企画展「ライシテからみるフランス美術 ——信仰の光と理性の光」
会期:2025年10月12日(日)〜12月21日(日)
会場:宇都宮美術館
住所:栃木県宇都宮市長岡町1077
開館時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(10月13日(月・祝)、 11月3日(月・祝)・24日(月・振)は開館)、10月14日(火)、11月4日(火)・25日(火)
観覧料:一般 1,200円(960円)、高校・大学生 1,000円(800円)、小・中学生 800円(640円)
※( )内は20名以上の団体料金
※身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳の所持者および介護者(1名)は無料
※宇都宮市在学・在住の高校生以下は無料
※毎月第3日曜日(10月19日、11月16日、12月21日)は「家庭の日」につき、高校生以下を含む家族での来館者は、企画展観覧料が一般・大学生は半額、高校生以下は無料
※11月3日(月・祝)「文化の日」は、宇都宮市民の観覧無料

■巡回情報
・三重会場
会期:2026年1月17日(土)〜3月22日(日)
会場:三重県立美術館
住所:三重県津市大谷町11

【問い合わせ先】
宇都宮美術館
TEL:028-643-0100

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