企画展「今村源 遅れるものの行方」が、茨城の水戸芸術館現代美術ギャラリーにて、2023年11月3日(金・祝)から2024年1月28日(日)まで開催される。
今村源(いまむら はじめ)は、1957年大阪に生まれ、関西を中心に活動する現代美術家だ。ボール紙や発泡スチロール、石膏、針金、ビニールなど、彫刻らしからぬ軽い素材を用いて、浮遊感あふれる「彫刻」作品を手がけてきた。
日常にありふれたものを素材に使った今村の作品は、ユーモラスな造形でありながら、人々が普段気に留めないありふれたものに、少しの隙間を加えたり、天地を入れ替えたり、あるいは裏返したりと、ささやかな操作を加えることで、作品自体が持つ軽く透明感ある印象を一転させ、日常と表裏一体にある世界を想起させるものである。
こうした今村の作品の根底には、きのこの世界があるという。森の地下に菌糸を張り巡らせ、時折り地上に姿を現すきのこは、人間には見えない世界にいながら、確かに世界と共生し、世界を支えているものだ。こうした菌類をめぐる今村の思索は、個々の生を超えて連綿と続く生命の営為へと展開してきた。
企画展「今村源 遅れるものの行方」は、美術館では10年ぶり、関東では初となる今村の個展だ。会場では、過去作から本展のための最新作まで、約60点の作品を紹介。また、2019年夏に宮城・牡鹿半島を中心に開催された「リボーン アート・フェスティバル 2019」において今村が発表した、巨大なきのこの彫刻作品《きせい・キノコ ‐ 2019》を、水戸芸術館エントランスホールに展示する。
企画展「今村源 遅れるものの行方」
会期:2023年11月3日(金・祝)〜2024年1月28日(日)
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー、エントランスホール
住所:茨城県水戸市五軒町1-6-8
開場時間:10:00〜18:00( 入場は17:30まで)
休館日:月曜日(1月8日(月・祝)は開館)、12月9日(土)・10日(日)、12月27日(水)〜1月3日(水)、1月9日(火)
入場料:一般 900円、団体(20名以上) 700円
※高校生以下、70歳以上、障害者手帳などの所持者および付添者1名は無料
※学生とシニアための特別割引デー「First Friday」:学生証の所持者と65〜69歳は、毎月第1金曜日(11月3日、12月1日、1月5日)、入場料は100円
【問い合わせ先】
水戸芸術館
TEL:029-227-8111(代表)