従来のレストランのルールを軽やかに覆し、ゲストの好奇心を刺激しながら、五感を研ぎ澄ます体験を生み出してきた「ムガリッツ(Mugaritz)」。独自の世界観を持つ食空間は、今までにないものとなっている。
ムガリッツは毎年11月から4月までの約6か月間を休業期間とし、その間、スタッフ全員がメニュー開発に集中。この期間に生まれた料理が翌年以降に再び提供されることはなく、常に革新的なメニューへと刷新されていく。そんな異端ともいえる名店ムガリッツの研究開発チームに密着し、メニュー開発の舞台裏を記録した。
スペイン・バスク地方はガストロノミーの中心地として知られる。ミシュランガイドで「レストランを超えた存在」と評価され、2つ星を獲得した名店ムガリッツ(Mugaritz)は、21世紀に入る頃から業界で大きな注目を集めてきた。
グラスやカトラリーを並べず、アーティスティックなオブジェのみが置かれたテーブルや、手や舌を使って味わう独自の料理など、革新的なスタイルが特徴だ。ドキュメンタリー映画『ムガリッツ』では、カメラが実際に厨房に入り、研究開発チームやシェフたちが実験的な料理を生み出すメニュー開発の現場を追いかけている。