雨が降らない、夏の長崎。幼い息子を亡くした喪失感から妻・恵子と別居中の小浦治。
働きもせずふらふらしている治の前に、妹・阿佐子が、17歳の娘・優子を連れて訪ねてくる。阿佐子は1人で博多の男の元へ行くため、しばらく優子を預かってくれという。こうして突然、治と姪の優子との同居生活がはじまることに。
高校へ行かずアルバイトをはじめた優子は、そこで働く先輩の立山と親しくなる。不器用だが懸命に父親の代わりをつとめる治との二人の生活に馴染んできたある日、優子は、恵子と治が言い争う現場に鉢合わせてしまう……。
映画『夏の砂の上』は、松⽥正隆による傑作戯曲「夏の砂の上」を映画化した作品。監督・脚本は演出家の⽟⽥真也。主演・共同プロデューサーはオダギリジョー。息子を亡くした喪失感を抱える主人公と姪の突然の共同生活を出発点に、それぞれの痛みに向き合い、一筋の希望を見出していく姿を長崎を舞台に描く。