仕事熱心で正義感の強い若手教師のカーラは、新たに赴任した中学校で1年生のクラスを受け持ち、同僚や生徒の信頼を獲得しつつあった。そんなある日、校内で相次ぐ盗難事件の犯人として教え子が疑われる。校長らの強引な調査に反発したカーラは、独自の犯人捜しを開始。するとカーラが職員室に仕掛けた隠し撮りの動画には、ある人物が盗みを働く瞬間が記録されていた。やがて盗難事件をめぐるカーラや学校側の対応は噂となって広まり、保護者の猛烈な批判、生徒の反乱、同僚教師との対立を招いてしまう。カーラは、後戻りできない孤立無援の窮地に陥っていくのだった…。
映画『ありふれた教室』は、現代の中学校で起きた小さな事件をきっかけに、若手の女性教師が窮地へ陥る姿を描いたサスペンス・スリラー。ドイツの新鋭、イルケル・チャタクが監督を務め、チャタク自身が教育分野で働く人々へのリサーチを行い、また自らの子供時代の実体験も織り交ぜてオリジナル脚本を執筆した。主演は、ミヒャエル・ハネケ監督の代表作『白いリボン』で知られる実力派女優、レオニー・ベネシュ。