滋賀のMIHO MUSEUM(ミホミュージアム)では、秋季特別展「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品」を、2021年12月12日(日)まで開催する。
ミネアポリス美術館は、アメリカ中西部ミネソタ州最大の都市・ミネアポリスにある美術館だ。世界各地の9万点を超える美術作品を所蔵しており、そのうち日本絵画のコレクションは、約2,500点の浮世絵を筆頭に、質・量ともに高く評価されている。
「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品」展は、同館が誇る日本美術コレクションから厳選した作品を通して、中世から近代に至る日本絵画の変遷をたどる展覧会だ。水墨画・狩野派・やまと絵・琳派・ 浮世絵・文人画・奇想派・近代絵画と、江戸絵画を中心に日本絵画の主要ジャンルを網羅するラインナップを展開する。
水墨画は、濃淡を容易に調節できる墨を素材に、対象の立体感や遠近感、そして光や空気のニュアンスを表現することを特徴としている。日本には奈良時代以降に大陸から水墨画が伝わったが、とりわけ南宋から元時代までの絵画様式は、14〜17世紀の日本絵画に大きな影響を与えた。会場では、雪村周継の《花鳥図屛風》をはじめ、16世紀に活躍した絵師の水墨画を展示する。
尾形光琳や酒井抱一が名を連ねる琳派は、17世紀初頭に活躍した俵屋宗達に始まるとされる。“たらし込み”技法などを駆使した宗達独自の作風は光琳に受け継がれ、軽やかで俳諧的な作風を確立した抱一の弟子により、江戸琳派が形成された。会場では、宗達、抱一やその高弟であった鈴木其一らを中心に、琳派の芸術を紹介する。
美人画や役者絵に代表される浮世絵は、江戸時代に大都市へと成長した江戸で誕生した、新しい芸術だ。市場の組織化と制作における分業体制の確立により、浮世絵は江戸を代表する美術ジャンルへと発展したのだった。本展では、ミネアポリス美術館が誇る浮世絵コレクションから、葛飾北斎《冨嶽三十六景 凱風快晴》や東洲斎写楽《市川鰕蔵の竹村定之進》など、選りすぐりの優品を一挙に公開する。
江戸時代後期、従来の流派や様式にとらわれない画風が存在感を示すようになった。なかでも、伊藤若冲や曾我蕭白ら「奇想」の絵師は、大胆にデフォルメした構図の水墨画や細密な濃彩画などにより、独自の画風を確立した。本展では、蕭白《群鶴図屛風》や若冲《旭日老松図》などとともに、海外との交易の窓口であったことを背景に、多彩な江戸絵画を生み出す契機となった長崎派の作品も紹介する。
秋季特別展 「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品」
会期:2021年9月18日(土)〜12月12日(日)〈事前予約制〉
会場:MIHO MUSEUM
住所:滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300
入館料:一般 1,300円、高・大生 1,000円、中学生以下 無料
※来館には、事前予約が必要。
※障がい者手帳持参者は無料(介添1名は200円割引)。
※本展の入館料で、南館の展示も観覧可能。
開館時間:10:00~16:00 ※入館は15:00まで
休館日:月曜日
■巡回情報
・山口県立美術館
会期:2022年3月1日(火)〜4月17日(日)
住所:山口県山口市亀山町3-1
・サントリー美術館〈会期終了〉
会期:2021年4月14日(水)~6月27日(日)
住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
・福島県立美術館〈会期終了〉
会期:2021年7月8日(木)〜9月5日(日)
住所:福島県福島市森合字西養山1
【問い合わせ先】
MIHO MUSEUM
TEL:0748-82-3411