第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式招待された映画『岸辺の旅』。現地時間5月17日(日)22時に公式上映され、W主演で夫婦役を演じる深津絵里と浅野忠信、そして黒沢清監督がレッドカーペットと舞台挨拶に登場した。
レッドカーペットで深津絵里が着用したのは、背中が大きく開いたバレンシアガ(BALENCIAGA)のブラックドレス。深紅のレッドカーペットとのコントラストで、シックなスタイルがより際立った。手首に光るのは、ブシュロン(BOUCHERON)のスネークをモチーフとしたジュエリーコレクション「セルパンボエム」のブレスレット。また、まぶしい日差しが差し込むフォトコールの際は、トム フォードのカクテルドレスでエレガントな佇まいを披露した。
一方の浅野忠信は、トム フォード(Tom Ford)のタキシードをチョイスし、長身を生かしたスマートなスタイルで登場。左手に着用している腕時計は、控えめな佇まいのなかにエレガンスが際立つショパール(Chopard)の「L.U.C XPS」だ。
黒沢清監督にとっては、2008年の『トウキョウソナタ』に続く受賞が期待される本作。今秋フランス国内で100から150館規模での公開も予定されており、今回のカンヌ国際映画祭での好反響に注目が集まっている。
フォトコールの際は、深津絵里、浅野忠信ともにトム フォードを着用
【作品情報】
『岸辺の旅』
公開日:2015年10月1日(木) テアトル新宿ほか全国ロードショー
原作:湯本香樹実「岸辺の旅」(文春文庫刊)
監督:黒沢 清
脚本:宇治田隆史、黒沢 清
出演:深津絵里、浅野忠信
【あらすじ】
夫の優介(浅野忠信)が失踪してから3年。妻の瑞希(深津絵里)は喪失感を経て、ようやく、ピアノを人に教える仕事を再開し、日々を暮らしていた。そんなある日、突然、夫が帰ってきた。そして、帰宅した優介は瑞希に「俺、死んだよ。」と告げる。そして「一緒に来ないか、きれいな場所があるんだ。」という優介に誘われるまま、2人で旅に出る瑞希。それは夫が失踪してから、自宅に戻ってくるまでの3年間でお世話になった人々を訪ねていく旅だった。ひとつめの町では新聞配達を生業とする孤独な初老の男性を、ふたつめの町では小さな食堂を営む夫婦を、みっつめの町では山奥の農園で暮らす家族を訪ねる2人。失われた時を巡るように、優介と一緒に過ごし、優介が見たこと、触れたこと、感じたことを、同じ気持ちで感じていく瑞希。旅を続けるうちに、瑞希はそれまで知らなかった優介の姿も知ることになる。お互いへの深い愛を、「一緒にいたい」という純粋な気持ちを改めて感じ合う2人。だが、瑞希が優介を見おくり、言えなかった「さようなら」を伝える時は刻一刻と近づいていた。
Photo - © Kazuko Wakayama