エンフォルド(ENFÖLD)の2026年春夏コレクションが、2025年10月30日(木)、東京・新宿住友ビル 三角広場にて、初のランウェイショー形式で発表された。
ブランド立ち上げから13年が経つエンフォルドは、これまで積み重ねてきた世界観を改めて伝えるべく、初となるランウェイショーを実施。
「ECHO PLANET」を掲げる今シーズンの舞台となったのは、異なる文化や感覚が重なり、互いに共鳴することで生まれる理想の惑星だ。違いを受け入れ合いながら、形を変えて進化していく“新しい共鳴のかたち”を、服に乗せて伝えていく。
目を惹くのは、人間の身体の縁を想定していないかのような、予想外のフォルムの数々。シャツやワンピースの長く伸びた袖、薄手のトレンチコートの大きな肩など、様々な種が生息する空想上の惑星でのファッションを想起させる。
また、意図的にずらしたようなパターンや不均衡なバランスで仕立てているのも印象的。シャツは異なる色の生地をだまし絵風に重ね、ドレスやアノラックパーカーは裾を引きずるほど長く設定するなど、まるで他者のフォルムを身体に宿しているかのようなディテールが特徴だ。
空想上の惑星には、未知の生物もいるはず。今季はその“未知の生物”もひとつのキーワードとなっており、柔らかな素材とその表面で、人ではない生物を表した。たとえば、ホワイトのシアー素材を用いたパフスリーブワンピース。ふっくらと起毛感のある生地は、ところどころ生地が余ったように大きな膨らみがある。未知の生物の皮膚のようでもあり、理想の惑星のぼこぼことした大地にも思える。
カラーパレットは、ポップで鮮やか。ホワイトやブラック、グレーといったシンプルなカラーはもちろん、パッと目を惹く鮮やかなイエロー、柔らかなピンクやライトブルーなど多様だ。
その中でも、エメラルドグリーンを基調とした色合いのオールインワンや、シャツとロングパンツ、フレアトップスといったアイテムに注目。カメラマンの丸山サヤカの作品をプリントしており、その光の印象を捉えたような、美しく溶け合う柄が、未知と共鳴している様を表しているようだった。