『愛されなくても別に』というタイトルはとてもインパクトがありますが、撮影中「愛」について何か思うことはありましたか?
南:愛は、この作品の大きなテーマでもありますよね。人生において愛されることが全てではないですし、難しいなと思うんですけれど……。陽彩にとって母親が自分の存在意義であり、反対に自分を苦しめていたように、自分の居場所が時として自身を追い詰めるかもしれないと気づかされました。そういう可能性があることを、頭の片隅に置いておくのは大切だなと思いました。
馬場:愛ってとても難しいですよね。愛されるとか、愛されないとか、基本的に他者からの言葉であったり、感情であったりすることが多いじゃないですか。友達から、家族から、恋人から。そういった他者に重きを置くと苦しくなるなと思っていて。誰かから何かを受け取る幸せじゃなくて、自分で幸せを感じるための何かを見つけることが大事だと思います。
ご自身が愛しているもの、夢中になっているものはありますか?
南:私、動物が大好きなんです。犬も好きだし、猫も好きで。今犬2匹飼っているのですが、もう動物園にしたいぐらい……。
馬場:え、どういうこと?(笑)
南:家を動物園にしたいぐらい動物が好きなんですよ。(笑)爬虫類も好きだし。もっとたくさんの動物と暮らしたいです。
馬場:いいね、それで言うと私はなんだろう。休日はジムやネイル、皮膚科など最低限のメンテナンスに行ってばかりで……。(笑)
インドア派なんですか?
馬場:と思いきや別にそうでもなくて。(笑)フェスに行ったりもします。わりと深く考えずに楽しく生きる日々を愛していますね!
最後に、役者という職業についてもお聞きしたいです。一番の魅力はなんだと思いますか?
南:役者に関わらずですが、私は挑戦すること自体がすごく好きです。新しいものを知ったり、触れたり、見たりすることが好きなので。そういう意味では、お芝居って毎回同じものはないから、常に新しいチャレンジをしている感覚が楽しいですね。
馬場:私は最近、年齢を重ねるごとに演じる役柄や作品が変わっていくのがとても面白いなと感じています。20代前半と比べて後半は、結婚している役が少しずつ増えていきました。今年でちょうど20代から30代に変わるんですけど、きっとそれも伴って演じる役柄のライフステージみたいなのも変わっていくだろうし、そういった変化を楽しみたいと思います。
演じる役に引っ張られて、プライベートでも気分が落ちたりすることはありますか?
馬場:ないです。(笑)
南:同じくです。(笑)
馬場:撮影中もお互い切り替えられてたよね。演じている瞬間の苦しさみたいなのはもちろんありますが、そこを抜けた後は「良いシーンにできたかな」という気持ちでした。
南:ですね。役に没頭する瞬間は楽しいです。
馬場:でも私はまだ楽しいとは思っていないかも。ネガティブな意味合いでは無いのですが、お芝居って底が知れない感じがあるというか……。だからこそやりがいがあるし、続けられているのかもしれません。
【作品詳細】
映画『愛されなくても別に』
公開日:2025年7月4日(金)
監督:井樫彩
脚本:井樫彩、イ・ナウォン
出演:南沙良、馬場ふみか、本田望結、基俊介、伊島空、池津祥子、河井青葉
原作:武⽥綾乃「愛されなくても別に」(講談社⽂庫)
配給:カルチュア・パブリッシャーズ