映画『私にふさわしいホテル』が、2024年12月27日(金)より全国公開される。主演はのん。
「私にふさわしいホテル」は、柚木麻子による小説。柚木は、2008年にオール讀物新人賞を受賞した短編「フォーゲットミー、ノットブルー」を含む単行本「終点のあの子」でデビューし、「ランチのアッコちゃん」や「BUTTER」、「あいにくあんたのためじゃない」などの作品でも知られている。
“文学史上最も不遇な新人作家”の逆襲を描いた物語となっており、文壇の裏側に迫るリアリティとスピード感溢れる展開などが魅力だ。
そんな「私にふさわしいホテル」が、のんを主演に迎えて映画化。映画『さかなのこ』で第46回日本アカデミー賞 優秀主演女優賞を受賞し、俳優のみならずアーティストやクリエイターとしても活躍しているのんが、激しくもチャーミングな人柄の主人公・加代子を演じる。
主人公・加代子…のん
新人賞を受賞したものの、大御所作家・東十条宗典の酷評により小説を発表する場も得られなかった不遇な新人作家。力強くも繊細で、破天荒な性格。文豪に愛された山の上ホテルに憧れており、いつか自腹で宿泊しこのホテルにふさわしい作家になりたいと夢見ている。
遠藤…田中圭
加代子の大学の先輩であり、担当編集。大手出版社に勤める。時に加代子を裏切るが、加代子の根性と作家としての可能性を認めている最大の理解者。
東十条宗典…滝藤賢一
出版業界を牛耳る大御所作家。加代子に原稿を落とされたことを恨み、加代子が出版業界で生きていけないようあの手この手で加代子を追い詰める。
一流クラブのママ…田中みな実
東十条宗典行きつけの一流クラブのママ。
有森…服部樹咲
10年に1人の才能を持ち、文壇の話題をかっさらう天才高校生小説家。
東十条美和子…髙石あかり
東十条宗典が唯一頭の上がらないじゃじゃ馬娘。
須藤…橋本愛
本だけを愛する超有名カリスマ書店員。
トレンディー俳優…橘ケンチ
東十条宗典行きつけのクラブにお忍びで来ている俳優。
ホテルマン…光石研
クリスマスに遠藤が家族で宿泊するホテルの実直なホテルマン。
宗典の妻…若村麻由美
東十条宗典を親身に支える。
監督を務めるのは、ドラマ「ケイゾク」「池袋ウエストゲートパーク」や「TRICK」シリーズ、「SPEC」シリーズ、映画『20世紀少年』3部作などの演出を手掛けてきた堤幸彦。出版業界で不遇を強いられた新人作家が、いかにして文壇を変えていくのか、コミカルかつドラマティックに描き出す。
なお、劇中で加代子が宿敵・東十条の原稿にシャンパンをかける暴挙に出る時の“文豪コール”は堤幸彦が現場で作ったもの。「逍遥、四迷に鴎外、露伴…」と日本の文豪たちの名前を唱えながらシャンパンを振り続ける、というユニークなシーンには、文学漬けだった学生の頃の堤幸彦自身の経験が生かされている。