展覧会「魚谷繁礼展 都市を編む」が、東京・六本木のTOTOギャラリー・間にて、2024年5月23日(木)から8月4日(日)まで開催される。

歴史と未来を繋ぐ建築

魚谷繁礼(うおや しげのり)は、都市のコンテクストの継承に着目した建築の実践に取り組んできた建築家だ。1977年に生まれた魚谷は、京都をはじめとする都市の構造についてのリサーチに基づきつつ、歴史ある町家や長屋を生きた建築として後世に残すプロジェクトを展開している。展覧会「魚谷繁礼展 都市を編む」では、歴史と未来をつなぐ魚谷の活動に光をあててゆく。

魚谷が試みてきたのは、都市が持つ歴史性や地域性といったコンテクストを、単に建築設計のコンセプト構築に用いるのではなく、空間として感じられる建築を造ることであった。こうした視点から、魚谷はこれまで、京町家の改修を120件以上手がけている。

京都では、町家や長屋が取り壊されてマンションや駐車像に替わるなど、歴史ある街並みが消えつつある。こうしたなか、たとえば魚谷が手がけた「コンテナ町家」は、長屋の一角を鉄骨フレームで覆ったうえでコンテナユニットと組み合わせつつ、路地を残すことで、現代の生活に適応するよう構築されている。

本展では、都市のコンテクストと現在を捉え、地域の未来の可能性を提示するという考えのもと、魚谷が設計した建築を紹介。また、京都・五條地域で取り壊されることになった茶屋建築の骨組みを、会場に移設することで、コンテクストを持つ遺構を別の場所に再構築することの意義についても考える。

展覧会概要

展覧会「魚谷繁礼展 都市を編む」
会期：2024年5月23日(木)〜8月4日(日)
会場：TOTOギャラリー・間
住所：東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル 3F
開館時間：11:00〜18:00
休館日：月曜日、祝日
入場料：無料

【問い合わせ先】
TOTOギャラリー・間
TEL：03-3402-1010