横浜美術館が2024年3月15日(金)より順次リニューアルし、2025年2月に全館オープンとなる。なお、3月15日(金)からは「第8回横浜トリエンナーレ」も開幕する。

横浜美術館が“より自由に楽しめる”美術館にリニューアル

日本のモダニズムの巨匠と称される建築家・丹下健三が国内で初めて設計した美術館であり、1989年の開館後多くの人に愛されてきた横浜美術館。左右対称に伸びるファサードを特徴とするこの建物は、あらゆるところに丸や四角のモチーフが見つけられ、円形と正方形の形をした展示室もある。

そんな横浜美術館が、2021年3月に休館してから約3年の月日を経て、大規模改修工事を終え新たな装いに。“世界にひらかれた港町の美術館”として、異なる時代や地域に生きる人々の様々な考えに基づくアート作品に出会い、たくさんのものの見方に触れるための手がかりとなる場所を提供する。

生まれ変わった横浜美術館には、大空間「グランドギャラリー」を中心に、美術館の目の前に広がる広場に面した諸施設から構成される「じゆうエリア」が設けられる。3月15日(金)を皮切りに以下のスケジュールで順次開室を予定している。

横浜美術館リニューアルスケジュール(予定)

2024年3月15日(金)：リニューアルオープン。「第8回横浜トリエンナーレ」開幕
2024年6月9日(日)：「第8回横浜トリエンナーレ」閉幕。以降、約13,000点の横浜美術館コレクションを外部倉庫より収蔵庫へ
2024年11月：じゆうエリア一部オープン(ギャラリー8、ギャラリー9、市民のアトリエ、子どものアトリエ、美術図書室、レクチャーホール、ミュージアムショップ、カフェ)
以降、部分開室エリアにてイベント等を開催
2025年1月：全サインおよび家具設置完了
2025年2月：全館始動
2025年2月～6月：「おかえり、ヨコハマ。」展、横浜美術館コレクション展開催

思い思いの時を過ごせる「じゆうエリア」新設

リニューアルの目玉となるのは、人々が思い思いの時間を過ごせる「じゆうエリア」。ガラス張りの天井によって、やわらかな自然光が降り注ぐ大空間「グランドギャラリー」を中心に、誰もが無料で入場可能だ。新たなしつらえとなるラウンジや大階段エリア、生まれ変わったカフェやショップ、3Fから地上階へ移設された美術図書室なども含まれる。

開放感あふれるラウンジ＆左右対称に広がる大階段

「グランドギャラリー」のほぼ中央に位置する「まるまるラウンジ」では、2025年2月以降、飲み物やおしゃべりを楽しみながら、作品や建築物を眺めることができる。

また、この「まるまるラウンジ」を中心とし、左右対称に広がるのが「大階段エリア」だ。2025年2月以降には、広々とした踊り場と階段には、横浜美術館のあちこちに見られる「まる」と「しかく」をかくしテーマとした彫刻作品の展示が予定されており、それら作品を囲みながら友人や家族と団らんすることができる。ここで予定されているさまざまな企画やイベントも魅力のひとつとなりそうだ。

展示室前まで拡張される無料エリア

2025年2月以降に展示室前のホワイエまで拡張予定の無料エリアでは、グランドギャラリーを見渡しながら誰もが自由に過ごせるようになる。休憩スペースのほか、ワークショップ会場などとしての利用も予定され、様々な形で来館者を迎える。

くつろぎの屋外スペース

天気のいい日は、美術館前の広場に面した屋外のオープンスペースで過ごすのがおすすめ。美術館とみなとの風を感じながらくつろぐことができる。

美術図書室とカフェ＆ショップもリニューアル

美術図書室とカフェ＆ショップも2024年11月リニューアルオープン。これまで3階にあった美術図書室が地上階へ移設され、明るい光がそそぎこむ空間へ。アートに纏わる絵本から専門書までを閲覧でき、だれもが無料で利用可能だ。カフェと、オリジナルグッズを取り扱うショップも、美術館前の広場に面した空間に広がる。

開館と同時「第8回横浜トリエンナーレ」スタート

開館と同時にスタートする「第8回横浜トリエンナーレ」では、「野草：いま、ここで生きてる」をテーマに、気候変動と環境破壊、紛争や戦争などに直面し、先行きの見えないこの時代に生きる人々の生き方を、世界中の現代アーティスト67組の作品とともに振り返る。なお、6月9日(日)に「第8回横浜トリエンナーレ」が閉幕すると、以降は約13,000点の横浜美術館コレクションが外部倉庫より収蔵庫へと移される。以降、順次部分開室し、2025年2月に全館オープンとなる。

>>詳細はこちら

【詳細】
横浜美術館 リニューアルオープン
リニューアルオープン日：2024年3月15日(金)
※全館オープン時期は2025年2月～
住所：神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
開館時間：10:00～18:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日：木曜日、年末年始
※開館日・時間は展覧会によって異なる場合あり。