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金工作家・中川衛の展覧会がパナソニック汐留美術館で - 精緻な象嵌作品や工業デザインが一堂に

東京のパナソニック汐留美術館では、開館20周年記念展「中川 衛 美しき金工とデザイン」を、2023年7月15日(土)から9月18日(月・祝)まで開催する。

金工作家・中川衛、「デザイン」の視点から迫るその活動

中川衛 《象嵌朧銀花器「北杜の朝」》 2016年 パナソニックホールディングス株式会社蔵
中川衛 《象嵌朧銀花器「北杜の朝」》 2016年 パナソニックホールディングス株式会社蔵

金沢を拠点に活動する金工作家であり、「彫金」の人間国宝である、中川衛(なかがわ まもる)。1947年に生まれた中川は、松下電工(現・パナソニック)などでプロダクトデザイナーとして活動するも、加賀象嵌(かがぞうがん)にふれたことを契機として金工の道に進むことに。以後、高度な象嵌技法による金工作品を手がけて頭角を現し、2004年には重要無形文化財「彫金」 保持者、いわゆる人間国宝に認定されている。

中川衛 《象嵌朧銀花器「北杜の朝」》 2016年 パナソニックホールディングス株式会社蔵
中川衛 《象嵌朧銀花器「北杜の朝」》 2016年 パナソニックホールディングス株式会社蔵

中川が追求している「象嵌」とは、金属の表面に溝を彫り、異なる金属を嵌めこんで模様を作りだす技法だ。なかでも中川は、特に難易度が高いとされる「重ね象嵌」を極めている。「重ね象嵌」とは、複数の異なる金属の層を組み合わせて意匠を構成するものであり、これによって中川は、シンプルな幾何学的模様から、現実の取材に基づく自然描写へと、表現の幅を広げていったのだった。

《「の」の字文象嵌鐙》 江戸時代 17世紀 加賀本多美術館蔵
《「の」の字文象嵌鐙》 江戸時代 17世紀 加賀本多美術館蔵

中川の金工制作において、その発想や創作の根底には工業デザインの考え方が流れているという。展覧会「中川 衛 美しき金工とデザイン」では、 中川の初期から現在に至る活動を網羅的に紹介するとともに、その仕事を「デザイン」という視点から展観してゆく。

中川の象嵌、初期から最新作まで

中川衛 《象嵌朧銀孔雀伏香炉》 2016年頃 個人蔵
中川衛 《象嵌朧銀孔雀伏香炉》 2016年頃 個人蔵

中川が金工の道を歩むようになった契機には、江戸時代の鐙を目にし、その洒脱なデザインに魅了されたことがある。そこから伝統的な加賀象嵌に関心を持った中川は、この分野の第一人者であった彫金家・高橋介州(たかはし かいしゅう)に入門。以後、作家として活躍してゆくようになる。本展では、中川の象嵌作品を紹介するとともに、彼が加賀象嵌の何を継承し、どのような革新性をもたらしたのかに光をあてる。

中川の広範な活動

中川衛・舘鼻則孝 《Heel-less Shoes "Downtown I"》 2022年 個人蔵
中川衛・舘鼻則孝 《Heel-less Shoes "Downtown I"》 2022年 個人蔵

中川は、海外の象嵌技法や、日本とは異なる工芸感にふれたことをひとつの転機に、いっそう大きなスケールで活動を展開するようになった。会場では、国境や世代、ジャンルを超えた、中川の活動を紹介。舘鼻則孝とともに手がけた「ヒールレスシューズ(Heel-less Shoes)」の新作を発表するほか、海外の象嵌、中川に学んだ金工作家の作品なども紹介する。

デザイナーとしての中川

金工作家として活躍する以前の中川は、松下電工で美容家電製品などのデザインに携わっていた。また、石川県工業試験場に転職したのちも、県の伝統工芸のデザインを手がけており、これらの経験がのちの金工作家としての展開に息づくことになった。本展では、1970〜80年代に手がけられた工業デザインにまつわる資料を展示し、中川に底流することになるデザインの発想に迫る。

展覧会概要

開館20周年記念展「中川 衛 美しき金工とデザイン」
会期:2023年7月15日(土)~9月18日(月・祝)
会場:パナソニック汐留美術館
住所:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル 4F
開館時間:10:00〜18:00
※8月4日(金)、9月1日(金)・15日(金)・16日(土)は20:00まで開館
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:水曜日(9月13日(水)は開館)、8月13日(日)~17日(木)
入館料:一般 1,200円、65歳以上 1,100円、高校・大学生 700円、中学生以下 無料
※障がい者手帳の提示者および付添者1名までは無料

※画像写真の無断転載を禁ずる。

【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)

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