企画展「Viva Video! 久保田成子展」が、新潟県立近代美術館にて、2021年3月20日(土・祝)から6月6日(日)まで開催。その後、2021年6月29日(火)から9月23日(木・祝)まで大阪の国立国際美術館に、2021年11月13日(土)から2022年2月23日(水・祝)まで東京都現代美術館に巡回する。
久保田成子(くぼたしげこ)は、20世紀後半にニューヨークを拠点に活躍したアーティストだ。前衛芸術家集団「フルクサス」で活動したのち、映像と彫刻を組み合わせた“ヴィデオ彫刻”で一躍有名になった久保田は、ヴィデオ黎明期におけるヴィデオ・アートの先駆者と見なされている。
企画展「Viva Video! 久保田成子展」は、日本では約30年ぶりとなる、没後初の大規模個展だ。久保田の活動を代表するヴィデオ彫刻や映像作品に加えて、ドローイング、初公開となる資料などから、初期から晩年までの久保田の創作活動を多角的に展覧する。
1964年の渡米後、「フルクサス」に参加して表現の幅を広げた久保田。1970年代には、パートナーとなるヴィデオ・アーティストのナムジュン・パイクとの共同生活から、ヴィデオを使った作品を手掛けるようになった。本展では、シングルチャンネル・ヴィデオ作品《ブロークン・ダイアリー:ヨーロッパを一日ハーフインチで》といった初期のヴィデオ・アート作品など、ヴィデオ彫刻以前の活動も紹介する。
1968年、久保田はマルセル・デュシャンと偶然に出会い、これを契機としてデュシャンへのオマージュ「デュシャンピアナ」シリーズを発表。久保田の代名詞となるヴィデオ彫刻が生みだされることとなった。会場では、デュシャンを代表する絵画を映像として再解釈した《デュシャンピアナ:階段を降りる裸体》など、ヴィデオ彫刻の代表作を一堂に展示する。
また、日本初公開となるヴィデオ彫刻も展示。1991年の冬季オリンピックで銀メダルを獲得したフィギュアスケート選手・伊藤みどりをモデルにした《スケート選手》や、夫パイクの故郷の墓をモチーフにした《韓国の墓》などを目にすることができる。
久保田は1980年頃から作品のなかに水やモーター、プロジェクションによる動きといった要素を取り込むようになる。本展では、ヴィデオ彫刻が次第に空間的・時間的に拡張していく様子も紹介する。
企画展「Viva Video! 久保田成子展」
会期:2021年3月20日(土・祝)~6月6日(日)
会場:新潟県立近代美術館 企画展示室
住所:新潟県長岡市千秋3-278-14
TEL:0258-28-4111
開館時間:9:00~17:00(観覧券の販売16:30まで)
休館日:月曜日(5月3日(月・祝)のぞく)
観覧料:大人 1,000円(800円)、大学生・高校生 800円(600円)、中学生以下 無料
※( )内は有料20名以上の団体
※ 障害者手帳・療育手帳の所持者は観覧料免除
※開催内容には変更が生じる場合あり(最新情報は美術館ホームページなどにて確認)
■巡回情報
・国立国際美術館 (大阪府大阪市北区中之島4-2-55)
会期:2021年6月29日(火)〜9月23日(木・祝)
・東京都現代美術館 (東京都江東区三好4-1-1(木場公園内))
会期:2021年11月13日(土)〜2022年2月23日(水・祝)