アンリ・マティスの展覧会「マティス 自由なフォルム」展が、東京・六本木の国立新美術館にて開催される。期間は、2021年9月15日(水)から12月13(月)まで。
パブロ・ピカソやマルセル・デュシャンと並んで、20世紀の美術史に革新を起こしたアーティストの1人であるアンリ・マティス。大胆な色彩表現が特徴である“フォーヴィスム=野獣派”のリーダー的存在であり、独特の色使いをすることから“色彩の魔術師”とも呼ばれる。
そんなマティスが頭角を現し、世に知れ渡ったのは20世紀初頭。実は、フォーヴィスムとしての活動期間は短く、以降は、鮮やかな色彩を武器としながらも、緊張感のある作品を作り続けたという。
そして、後半生を過ごしたニースでは、様々なモデルやオブジェを精力的に描く一方で、色が塗られた紙をはさみで切り取り、紙に貼り付ける技法“切り紙絵”に取り組んだ。色彩とデッサンの関係について追及を続けた先、マティスはこの手法に至ったそうだ。
今回の「マティス 自由なフォルム」では、マティスの“切り紙絵”に焦点を当てる。切り紙絵が日本でまとめて展示されることはきわめて稀なことで、マティスの記念碑的な表現方法に触れる貴重な機会といえる。
会場では、フランスのニース市マティス美術館の所蔵作品を中心に、絵画、彫刻、素描、版画、テキスタイル等の作品やマティス旧蔵のオブジェ等を紹介する。なかでも切り紙絵の大作《花と果実》は、本展のためにフランスでの修復を経て日本初公開される必見の作品だ。
また、マティスが最晩年に取り組んだ、芸術家人生の集大成ともいえるヴァンスのロザリオ礼拝堂にも着目。建築から室内装飾、祭服に至るまで、マティスの至高の芸術を公開する。
【詳細】
マティス 自由なフォルム
会期:2021年9月15日(水)~12月13日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室 2E
住所:東京都港区六本木7-22-2