映画『哀愁しんでれら』が、2021年2月5日(金)に全国公開される。主演は土屋太鳳。
映画『哀愁しんでれら』は、児童相談所に勤める真面目な女性がシンデレラストーリーを駆け上がった後、次第に狂い出す運命に身を投じ、社会を震撼させる前代未聞の凶悪事件を起こす姿を描く“おとぎ話サスペンス”。
ストーリーは、児童相談所に勤め平凡な毎日を送る小春が、一晩で怒涛の不幸にあい、すべてを失うところから始まる。人生を諦めようとしていた彼女だったが、8歳の娘を男手ひとつで育てる開業医と出会い、優しく、裕福で、王子様のような彼に惹かれていく。
彼の娘とも仲良くなり、プロポーズを受け入れ、不幸のどん底から一気に幸せの頂点へ駆け上がる“シンデレラ”となった彼女。夫と娘と共に幸せな家庭を築いていこうと決意し、新婚生活をスタートさせるのだが、ある日、前代未聞の凶悪事件を起こしてしまう。
主人公・福浦小春(土屋太鳳)
運命に翻弄される主人公・福浦小春役は、NHK連続テレビ小説『まれ』のヒロインで注目されて以降、『春待つ僕ら』『累-かさね-』など様々な映画で主演を務めてきた土屋太鳳。天真爛漫なイメージで人気を集める彼女が、狂気の変貌を遂げる“シンデレラ”を演じる。自身初となる”連れ子の母親”という役どころを、どのように演じるのかも期待したい。
夫・大悟(田中圭)
優しく裕福で、まるで王子様のような夫・大悟役を務めるのは、田中圭。しかし小春と結婚後には、突然態度を豹変させるような怪奇的な一面も…。
大悟の娘・ヒカリ(COCO)
大悟の娘・ヒカリ。小春になついていたはずだったが、結婚後の生活では、小春を責め立て反抗的な態度をみせることも。演じるのは、人気キッズインスタグラマーのCOCO。
映画『哀愁しんでれら』の主演・土屋太鳳にインタビューを実施。“3回断りを入れた”という主人公・小春役へのチャレンジ、そしてダークな役柄に関するアプローチなど、その知られざる素顔にフィーチャーした。
■土屋さんは、主役の小春役のオファーをいただいた際、3回断りを入れたと伺いました。その理由を教えてください。
土屋:最も大きな理由は、“自分の本能が警戒した作品”だからです。台本を初めて読んだ際に、直観的に感じたのは “この脚本はすごく計算されている”といった違和感。もちろん何かグランプリに輝く受賞作というのは、計算された脚本であるとは思うのですが、私は主人公が観客の意表をつく形で堕ちていく感じを、“すごいだろ”という風に撮ってほしくなかったというか。
自分自身も女性という立場であるからこそ、余計に警戒したのだと思います。演じるなら、やはり女性が幸せになる物語が良いなという願望もありますし。
■そのような心境の中で、オファーを引き受ける決め手となったのは?
土屋:まず監督にも、自分が感じた“警戒心”といものを、きちんとお伝えしました。そこで何かがガラリと解決したわけではなかったのですが、そのステップを踏んだ上で、台本を再度読ませていただいた際に、主人公の小春が何故か泣いているように感じたのです。“誰かこの役を引き受けて”というような。そこから自然に、やはり自分が小春に寄添いたいと感じ、役を演じさせていただくことを決意しました。
■撮影現場に入ってからは、スムーズに小春役に没頭することができたのでしょうか?
土屋:いいえ。最初から物語に警戒心があった分、現場入りした直後は戸惑う場面が少なくありませんでした。私にとっては珍しいことなのですが、監督やカメラマンさんが自分をどのように撮りたいのか分からず、悩んでしまったり…。
それでも徐々に小春役に入り込むことができたのは、温かなチームのサポートがあったから。私が当初めげそうになった時なんて、プロデューサーの方や共演の田中圭さんが、根気よく話を聞いてくださったんですよ。