トヨタの実験都市「ウーブン・シティ」静岡に開発、新しい製品やサービスを発明する“テストコース"の街
トヨタ(TOYOTA)は、静岡県裾野市に「トヨタ・ウーブン・シティ(Toyota Woven City)」と呼ばれる実験都市を開発している。2025年9月25日(木)にオフィシャルローンチ。
モノづくりの知見やAI技術を駆使、トヨタが作る実証実験の街

2020年1月7日(火)、アメリカ・ラスベガスの世界最大規模のエレクトロニクス見本市「CES 2020」において発表された、トヨタによる「ウーブン・シティ」。目的は、「インベンターズ(発明家)」と呼ばれる企業や個人とともに、未来で当たり前に使われるような、新しいプロダクトやサービスを人が暮らす環境で実証、発明することだ。モノの配送プラットフォームや自動運転、ロボット、AI、パーソナルモビリティなどの実証を行う。
パートナー企業や研究者と連携しながら、プロダクトやサービスの開発・実証のサイクルを素早く繰り返し、人々の暮らしを支えるあらゆるモノやサービスが情報で繋がることで生まれる、新たな価値やビジネスモデルを見出す。
東京ドーム約6個分の土地に2,000人が入居

建設場所は、2020年末に閉鎖されたトヨタ自動車東日本株式会社 東富士工場(静岡県裾野市)の跡地。現在計画されている東京ドーム約6個分に値する73エーカー(約29.4万平方メートル)の範囲で開発を進めていく。
2025年より住民が住み始め、徐々にリアルな実証の場として「ウーブン・シティ」を発展させていく。住民の数はフェーズごとに増加予定。2025年9月以降、まずはトヨタ関係者が中心に住みはじめ、すでに実証を開始したフェーズ1(約47千平方メートル)のエリアには最終的に約300名が居住することとなっている。
最終的にはフェーズ2以降も含め2,000名程度が「ウーブン・シティ」に住むこととなる。住民にはトヨタ関係者やその家族をはじめ、実証を行う企業の関係者、小売店舗、実証に参加する科学者、各業界の企業、起業家、研究者、そしてペットなどを想定しており、幅広い人々が「ウーブン・シティ」に集う見通しだ。
実験都市「ウーブン・シティ」の構想
クルマ・道・人が三位一体となるテストコース
「ウーブン・シティ」は、クルマ・道・人が三位一体となる“街”という形のテストコースの役割を担う。例えば、以下の3つを実証していく。
1:様々なモビリティサービスに活用できるバッテリーEV(自動運転対応モビリティ)「e-Palette(イーパレット)」の活用実証。
2:自由に安心して楽しめる電動小型三輪モビリティによるシェアサービスを実証
3:自律走行ロボット(Guide Mobi)によるシェアカーの自動搬送サービスを実証
マルチユースなバッテリーEV「e-Palette」
とりわけ注目したいのが「e-Palette」の活用について。「e-Palette」は、人々を運ぶ役割はもちろん、店舗やサービス空間として、1台のクルマでさまざまな用途に応えるマルチユースなバッテリーEVのことだ。発想次第で多様な使い方ができるトヨタの新たなモビリティの可能性を「ウーブン・シティ」で探る。
なお、トヨタ社長 豊⽥章男は、2021年のトヨタイムズ(トヨタ自動車運営のオウンドメディア)にて「裾野市全体がウーブン・シティになるわけではない」と前置きしたうえで、「自動運転車の目的は安全。ウーブン・シティはクルマの安全とともに、道、人を加えた三位一体で安全を確保するためのテストコース。ヒト中心の街をつくらない限り、安全な自動運転はできないと思い、ウーブン・シティをつくろうと決断した。」と述べている。
街を構成する3つの“道”
「ウーブン・シティ」は、日本語に直訳すると「編まれた街」の意。これは、街を通る道が網の目のように織り込まれたデザインに由来する。地上の道は大きく3種類に分類され、モビリティのタイプや、歩行者が歩くかどうかによって分けられる。
1:「e-Palette」など、モビリティ専用の道
2:歩行者とパーソナルモビリティが共存するプロムナードのような道
3:歩行者専用の公園内歩道のような道
これらが、まるで血管のように、それぞれが街の交通や物流において重要な役割を担う。また地下には、4本目の道であり、天候や気温等に左右されず実証がしやすい環境を整備。人々の暮らしを支える物流センターも、地下に設置される。
生活環境の中で新たなアイディアを開発&テスト

「ウーブン・シティ」が目指すのは、ヒトやモノ、情報、そしてエネルギーがより活発に動くことのできる「モビリティの拡張」と「未来の当たり前を発明」するための仕組みづくり。「ウーブン・シティ」においては、働く人、住む人、訪れる人各々が“発明者”として、生活する中で感じた困りごとやアイディアを共有する。“街”というリアルな生活の場を通して、浮かび上がったアイディアを実現させるまでの方法や効果を暮らしの中でテストしていく。
例えば、トヨタは、自動運転に加えて、様々なモビリティサービスに活用できるバッテリーEV e-Paletteを活用して、飲食やエンターテインメントを提供するプラットフォームとしての機能を実証したり、ウーブン・バイ・トヨタは配送プラットフォームを活用して建物内の自由なモノの移動を実証する。
また、ウーブン・シティは「しくみ」でもある。発明とテストの過程で困難が生じたときには、発明を加速させるためのサポートも提供。リアル・デジタルの両側面でものづくりのサポートをしたり、事業立ち上げ・拡大を支援したりと、アイディアをすばやく実現へと発展させるための試みを行う。
多彩な企業や個人が発明を担う"インベンターズ”に
「ウーブン・シティ」において発明を行うのは、トヨタやウーブン・バイ・トヨタを含むトヨタグループ企業だけでなく、トヨタ以外の企業やスタートアップ、起業家なども含まれる。様々な企業や個人が発明家=“インベンターズ”として、「ウーブン・シティ」に集う。
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