「ラウル・デュフィ展 絵画とテキスタイル・デザイン」が、東京のパナソニック汐留美術館にて、2019年10月5日(土)から12月15日(日)まで開催される。
「ラウル・デュフィ展 絵画とテキスタイル・デザイン」では、華やかで明るい色彩と軽やかなタッチの絵画作品を数多く残し、テキスタイルデザイナーとしても活躍した画家、ラウル・デュフィに着目。モダンな絵画作品や、モードの帝王ポール・ポワレ(Paul Poiret)が洋服に使用した絹織物を含む、デュフィのテキスタイルデザイン関連作品や資料全152点を展示する。
絵画作品は、美術学校時代の優品≪グラン・ブルヴァールのカーニヴァル≫から晩年の≪花束≫まで、代表的な作例16点を出品。画業の形成期に、印象派やフォーヴィスム、セザンヌの影響を受けながらも、表現の革新を続けたデュフィは、1920年前後に南仏のヴァンスに滞在し、制作に没頭。その過程で、明るい色調と軽快な輪郭線など、独自の画風を獲得。まぶしい陽光を思わせる海や、コンサートホール、着飾る人物など、楽しみや歓びに満ちた表現が見て取れる。
『動物詩集またはオルフェウスの行列』のために制作した挿絵≪オルフェウスの行列≫に見られるような、デュフィのグラフィックを高く評価したのが、ファッション・デザイナーのポール・ポワレ。ポール・ポワレはテキスタイル制作所を設立し、デュフィと布地の共同開発をスタート。
さらに、テキスタイル・デザインの仕事に関心を高めていたデュフィは、リヨンにあるビアンキーニ=フェリエ社と1912年に契約し、布地の図案を提供するようになる。《貝殻と海の馬》や、《象〔デザイン原画〕》といった生地が、ポール・ポワレの衣装に使用された。そこで生まれたテキスタイルの仕事を通して、色彩と輪郭線が依存しあわず、共に自律して画面上で調和する、デュフィならではの絵画手法を獲得した。
花模様や昆虫などの自然を表現したテキスタイルから、近代的な幾何学柄や都市生活を思わせる、モダンで装飾的な模様まで、多岐にわたる柄の織物やプリントファブリック、原画などが一堂に会する。
さらに、デュフィ・デザインのテキスタイルを使用した衣装作品20点にも注目。ポール・ポワレ原案のドレスをモンジ・ギバンが現代的に解釈した衣装や、クリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)、オリヴィエ・ラピドスがデュフィ・デザインの布地を使用して仕立てたドレス、英国の舞台衣装デザイナー、アンソニー・パウエルによる「マイ・フェア・レディ」の衣装などを揃える。
【詳細】
ラウル・デュフィ展 絵画とテキスタイル・デザイン
会期:2019年10月5日(土)~12月15日(日)
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
※11月1日(金)、12月6日(金)は夜間開館、20:00まで(入館は19:30まで)
場所:パナソニック汐留美術館
住所:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
休館日:水曜日
入館料:一般 1,000円/65歳以上 900円/大学生 700円/中・高校生 500円/小学生以下 無料
※20名以上の団体は100円割引
※障がい者手帳提示者、および付添者1名まで無料で入館可能。
■巡回
・松本市美術館「ラウル・デュフィ展- 絵画とファッション(仮称)」
会期:2020年1月25日(土)~3月29日(日)
住所:長野県松本市中央4-2-22
【問い合わせ先】
TEL:03-5777-8600(NTTハローダイヤル)