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ミュシャ特集 - アール・ヌーヴォーのポスター作品から《スラヴ叙事詩》まで、展覧会の情報も

アール・ヌーヴォーを代表する芸術家、アルフォンス・ミュシャ。ひとたび彼の展覧会が開催されれば、その美しい作品を見ようと多くの人が美術館に押し寄せるほど、世界中で絶大な人気を誇る。今回は、没後80年経った今でも多くの人の心を捉えてやまないミュシャの作品の魅力を、彼の数奇な芸術家人生を辿りながら紐解いていきたい。

さらに、併せてこれから開催される展覧会情報なども紹介していく。記事を読んだ後に、是非本物を体験しに行ってみはいかがだろう。

国立新美術館2017年開催の「ミュシャ展」展示風景
国立新美術館2017年開催の「ミュシャ展」展示風景

世紀末を映し出す芸術家、ミュシャ

ミュシャは、オーストリア=ハンガリー帝国領モラヴィア(現チェコ)に生まれ、パリやアメリカ、そして祖国で活躍した。宝飾デザインや、ポスター、グラフィックアートなどデザインに精通していたミュシャの作品は、非常に優美で洗練されている。ミュシャの作品には、新たな技術が次々と花開き、大都会へと急速に発展していった世紀末のヨーロッパの華やかな空気感が詰まっているようだ。

”魔性の女”を描く天才画家

国立新美術館2017年開催の「ミュシャ展」展示風景
国立新美術館2017年開催の「ミュシャ展」展示風景

ミュシャの代名詞とも言えるのが、美しい女性像を描いたポスターや装飾パネル。「線の魔術師」とも称されるその精密な筆致で描かれた女性たちは、その長い髪や自由に揺らめくドレスが、背景の植物文様や煌めく星と一体化している。妖艶でありながらもどこか少女のような無垢さを湛えた神々しい女性像は、運命を狂わせる”魔性の女”(ファム・ファタール)として、人々の視線を釘付けにしてしまう。

故郷・プラハへの想いを託した幻の傑作

国立新美術館2017年開催の「ミュシャ展」展示風景
国立新美術館2017年開催の「ミュシャ展」展示風景

そんな時代の籠児として栄華を極めた華やかな一面とは対照的に、ミュシャは祖国・チェコの独立のために自身の”芸術”を通して闘った画家でもあった。晩年のミュシャはアメリカからプラハに帰郷し、晩年の16年間を捧げて壮大なプロジェクト《スラヴ叙事詩》に取り組む。

《スラヴ叙事詩》は、古代から近代に至るスラブ民族の歴史が象徴的に描かれた、全20作品にもわたる油彩画の連作だ。およそ縦6m×横8mにもおよぶ巨大なカンヴァスには、ミュシャ独特の繊細な筆致と幻想的な色彩を通して、祖国への強い想いが表現されている。その圧倒的な存在感に、当時のドイツ軍が「国民の愛国心を刺激する」という理由で、ミュシャを捕らえたほどだった。

国立新美術館2017年開催の「ミュシャ展」展示風景
国立新美術館2017年開催の「ミュシャ展」展示風景

この連作は、画家の生まれ故郷近くのモラフスキー・クルムロフ城に寄託され、ほとんど人の目に触れることはなかった。2017年に、史上初めて国立新美術館にて開催された「ミュシャ展」にてチェコ国外での展示が行われ、大きな反響を呼んだ。

ミュシャの展覧会・作品集を紹介

展覧会「みんなのミュシャ」ミュシャの代表作&影響を受けた天野喜孝など

展覧会「みんなのミュシャ」ミュシャの代表作&影響を受けた天野喜孝など
アルフォンス・ミュシャ 《ジョブ》 1896年 カラーリトグラフ ミュシャ財団蔵
©Mucha Trust 2018

展覧会「みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ ― 線の魔術」が、渋谷Bunkamura ザ・ミュージアムで開催される。本展では、ミュシャが手掛けたポスターなどの代表作を揃える他、ミュシャに強い影響を受けた明治期の文芸誌の挿絵や、1960年代を中心にアメリカ西海岸やロンドンで一大ムーブメントを巻き起こしたグラフィック・アート作品、日本のマンガ家やアーティストの作品などの関連作品を含めた、250点以上の作品を観ることができる。天野喜孝や山岸凉子などの作品も展示される予定だ。

開催期間:2019年7月13日(土) 〜 2019年9月29日(日)
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム

「アール・ヌーヴォーの華 ミュシャ展」 世界最多約500点、日本初公開作品も展示

「アール・ヌーヴォーの華 ミュシャ展」 世界最多約500点、日本初公開作品も展示
黄道十二宮 ラ・プリュム誌のカレンダー/1896年

長崎・ハウステンボス美術館では「アール・ヌーヴォーの華 ミュシャ展」を開催。展示作品は、世界最多数の約500点。日本初公開作品約50点を含む、ポスターや装飾パネル、はがき、雑誌、当時販売された商品パッケージなどが勢揃いする。会場に並ぶのは、黄道十二宮 ラ・プリュム誌のカレンダーや、ランスの香水「ロド」など。デザインのバイブルと名高い装飾資料集72点、装飾人物集40点の作品が全点揃うのは、日本初となる。

開催期間:2019年2月9日(土)~6月24日(月)
会場:パレス ハウステンボス宮殿内 ハウステンボス美術館

展覧会「アール・ヌーヴォーの伝道師 浅井忠と近代デザイン」ミュシャら当時の美術品と浅井作品の魅力

展覧会「アール・ヌーヴォーの伝道師 浅井忠と近代デザイン」ミュシャら当時の美術品と浅井作品の魅力
アルフォンス・ミュシャ《椿姫》1896年 リトグラフ・紙 京都工芸繊維大学美術 工芸資料館 AN.3274

名古屋・ヤマザキマザック美術館で開催される「アール・ヌーヴォーの伝道師 浅井忠と近代デザイン」 では、明治日本を代表する洋画家・浅井忠の工芸デザインに焦点を当て、浅井忠が影響を受けたアール・ヌーヴォーの美術工芸の魅力、そして、それを受けて生み出された浅井忠の工芸デザインを紹介する。会場では、浅井忠の作品をはじめ、ミュシャやロートレック、ボナール、シェレらが制作した、女性や花のモチーフのポスターが公開される。

開催期間:2018年11月17日(土) 〜 2019年2月17日(日)
会場:ヤマザキマザック美術館

作品集『アルフォンス・ミュシャの世界 2つのおとぎの国への旅 』約370点を収録

作品集『アルフォンス・ミュシャの世界 2つのおとぎの国への旅 』約370点を収録
「スラヴ叙事詩」スラヴ民族のふるさと トゥーラーン人の鞭とゴート族の剣の間で
/プラハ市立美術館蔵(Prague City Gallery)

書籍『アルフォンス・ミュシャの世界 2つのおとぎの国への旅 』は、装飾パネルからポスター、本・雑誌の挿絵、大作「スラブ叙事詩」全20篇まで、作品約370点を収録した。パリのベル・エポック時代、後にアメリカへ渡り、愛する祖国へと戻るミュシャの生涯を、多くの美しい作品とともに総ざらいできる豪華な1冊だ。

発売日:現在発売中。

その他イベント

コンラッド東京「みんなのミュシャ」スイーツビュッフェ、色鮮やかなデザート&フード

コンラッド東京「みんなのミュシャ」スイーツビュッフェ、色鮮やかなデザート&フード

コンラッド東京では、展覧会「みんなのミュシャ」とコラボレーションしたスイーツビュッフェを開催。ミュシャの作品や、ミュシャが活躍したフランスのアール・ヌーヴォーをイメージした、色とりどりの華やかなスイーツやセイボリーをラインナップする。

・開催期間: 2019年7月13日(土) 〜 2019年9月8日(日)
・場所:コンラッド東京

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