湊かなえのミステリー小説「未来」黒島結菜主演で映画化、残酷な現実に絶望した少女の"禁断の計画”

湊かなえの小説「未来」が映画化。映画『未来』として、2026年5月に全国公開される。主演は黒島結菜、ほか松坂桃李や北川景子が出演。

湊かなえの集大成「未来」が実写映画化

原作は、自身初の映画化作品が大ヒットを記録した『告白』をはじめ、『母性』や『白ゆき姫殺人事件』など、次々と映画化作品を生み出してきた湊かなえによる同名ミステリー小説「未来」。ファンたちに集大成とも称された作品だ。作中では、7人にひとりの子どもが貧困状態にあると言われている今の日本において、ネグレクト、ヤングケアラー、性暴力などに苦しむ子どもたちの"見えない声”にフォーカス。社会の片隅で押し殺されてきた現実を、スリリングで切実な物語として映し出した。

絶望の中で届いた「未来のわたし」からの手紙

そんな「未来」が待望の実写映画化。主人公は、複雑な家庭環境で育ちながらも、教師になる夢を叶えた真唯子。ある日、真唯子の教え子・章子のもとに、"20年後のわたし”から一通の手紙が届く。父の死や、心を閉ざした母との孤独な日々に耐えていた章子だが、母の恋人からの暴力、いじめ、そして信じがたい事実に追い詰められていく。絶望の果て、禁断の計画を立てる章子。そんな章子を救おうとする真唯子は、社会の理不尽さに押しつぶされそうになりながら、それでも手を差し伸べようと奮闘する。

劇中では、「未来のわたし」から手紙を受け取った章子を襲う過酷な現実の数々が描かれる。やがて、章子は唯一心を通わせる友人・亜里沙と「親を殺す」という禁断の計画を立ててしまう。社会の陰に埋もれた痛みと、そこに差すかすかな光を描きながら、観る者の心を揺さぶる“罪と希望”のミステリーとなっている。

主演は黒島結菜、松坂桃李や北川景子らが出演

主人公の真唯子を演じるのは、黒島結菜。自身も複雑な過去を抱えながら、子どもたちに寄り添おうとする姿を繊細に体現した。そんな黒島演じる真唯子の教え子・章子は、『渇水』で新人賞に多数ノミネートされた山﨑七海が演じる。

加えて、松坂桃李や北川景子、坂東龍汰、細田佳央太、近藤華ら実力派俳優たちも出演する。

登場人物＆キャスト

篠宮真唯子(しのみやまいこ)…黒島結菜
過酷な環境に置かれている教え子に手を差し伸べようとする教師。

佐伯章子(さえきあきこ)…山﨑七海
「未来のわたし」からの手紙を受け取る少女。次々に襲いかかる過酷な現実に呑み込まれそうになりながらも懸命に生きる。

佐伯良太…松坂桃李
章子の父親。

佐伯文乃…北川景子
章子の母親。

原田勇輝…坂東龍汰
真唯子の恋人。

樋口良太…細田佳央太
森本真珠(もりもと・まじゅ)…近藤華
真唯子や章子の人生に大きな影響を与える。

監督は瀬々敬久

監督は、『ラーゲリより愛を込めて』『護られなかった者たちへ』などの瀬々敬久。社会の現実と人間の情を深く見つめ続けてきた名匠が、湊かなえが描く“罪と希望の物語”に新たな息を吹きこむ。

【作品詳細】
映画『未来』
公開時期：2026年5月
監督：瀬々敬久
脚本：加藤良太
製作幹事：東京テアトル、U-NEXT
配給：東京テアトル
企画・制作プロダクション：松竹撮影所
出演：黒島結菜、山﨑七海、坂東龍汰、細田佳央太、近藤華、松坂桃李、北川景子