愛知の豊田市美術館では、開館30周年記念コレクション展「VISION 星と星図|星図I:社会と、世界と」を、2025年6月21日(土)から9月15日(月)まで開催する。
豊田市美術館の開館30周年を記念して開催される「VISION 星と星図」展では、3期にわたって、同館のコレクションを新しい視点から紹介。その第1弾「星図I:社会と、世界と」では、芸術と政治・社会の関わりに着目しつつ、第二次世界大戦後のドイツやイタリアの美術作品、モダン・デザインのコレクションなどを公開する。
戦後のドイツやイタリアでは、急速に変化してゆく資本主義社会において、芸術がどのように存在しうるか、という模索が試みられた。本展では、社会と深く向きあいつつ制作を続けてきた、戦後ドイツを代表する美術家アンゼルム・キーファーの大作《飛べ!コフキコガネ》を11年ぶりに展示するほか、工業的な素材、自然の石や木などを、あまり加工せずに用いた戦後イタリアの美術「アルテ・ポーヴェラ」の作品を紹介する。
また、戦後フランスの美術家、ダニエル・ビュレンのインスタレーション作品《ファクシミリより場所へ》を、22年ぶりに再設置。ビュレンは、ストライプがらを用い、設置される場所や空間へと鑑賞者の意識を促すような作品制作を行った。《ファクシミリより場所へ》は、同館の展示室に合わせて制作された作品である。
一方で第二次世界大戦前、合理性や機能性を追求したモダン・デザインは、社会と芸術の接合を目指す試みであったと捉えることができる。会場では、豊田市美術館が誇るモダン・デザインのコレクションを一挙公開。ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエの《アームチェア(MR 534)》や、ペーター・ベーレンスの《電気湯沸かし器》などを目にすることができる。
美術やデザインの個々の作品は、それぞれが個別の性格を持つ存在である。同時に、ほかの作品と関わりあうことで、あたかも星座のように、複雑で豊かな世界を織りあげてゆく。3期にわたる「VISION 星と星図」展では、美術の大きな時代の流れとともに、時代や場所を越えた作品の繋がりを感じることができるだろう。
開館30周年記念コレクション展「VISION 星と星図|星図I:社会と、世界と」
会期:2025年6月21日(土)〜9月15日(月)
会場:豊田市美術館
住所:愛知県豊田市小坂本町8-5-1
開館時間:10:00〜17:30(入場は17:00まで)
休館日:月曜日(7月21日(月・祝)、8月11日(月・祝)、9月15日(月・祝)は開館)
観覧料:一般 300円(250円)、高校・大学生 200円(150円)、中学生以下 無料
※( )内は20名以上の団体料金
■開館30周年記念コレクション展「VISION 星と星図」展示予定
・第2期 2025年10月4日(土)〜12月21日(日)
・第3期 2026年1月6日(火)〜3月15日(日)
【問い合わせ先】
豊田市美術館
TEL:0565-34-6610