東京都写真美術館では、展覧会「総合開館30周年記念 ルイジ・ギッリ 終わらない風景」を、2025年7月3日(木)から9月28日(日)まで開催する。

ルイジ・ギッリ、アジア初の美術館個展

ルイジ・ギッリは、イタリアを代表する写真家のひとりだ。1943年に生まれたギッリは、1970年代より本格的に写真制作をスタート。色彩、空間、光に対する卓越した感覚と、ありふれたものをユーモラスに表現する才能をとおして、主にカラー写真による実験的な写真表現を探った。

展覧会「総合開館30周年記念 ルイジ・ギッリ 終わらない風景」は、アジアの美術館では初となるギッリの個展。初期の代表作「コダクローム」や「静物」シリーズ、ヨーロッパの風景、アーティストのアトリエを撮影したシリーズなど、初期から晩年までの作品約130点を紹介する。

断片が織りなす風景

写真とはギッリにとって、現実世界の複製ではなく、枠付けられた「見られた」断片によって、風景を作りだす手段であったという。ギッリはこうした表現手法をとおして、現実とイメージの関係性を風景のなかに見出し、存在と不在、外的世界と内的世界についての思索を掘り下げていったのだ。

初期から晩年までの代表作を一挙公開

本展では、1970年代から、1992年に世を去る晩年まで、ギッリが手がけた写真作品を紹介。イタリアや旅先の風景、画家ジョルジョ・モランディや建築家アルド・ロッシのスタジオ、自宅の室内、美術品、看板やポスター、窓や鏡に映る風景など、さまざまな断片から構成されたギッリの風景表現に光を当ててゆく。

妻パオラ・ギッリとの関わりに着目

また、ギッリの妻パオラ・ギッリにも着目。写真文化を専門とする出版社がほとんど存在しなかった1970年代のイタリアで、ルイジ・ギッリはパオラ・ギッリらとともに出版社「プント・エ・ヴィルゴラ(Punto e Virgola)」を立ち上げたのであった。会場では、パオラがデザインした書籍や彼女の作品、ルイジ・ギッリ作品との関わりについても紹介する。

ドキュメンタリー映画『Infinito』日本初公開上映

なお、8月24日(日)、9月12日(金)の2日間、ギッリの活動をまとめたドキュメンタリー映画『Infinito』を日本初公開上映。ギッリが撮影する様子の映像、遺族やプリンターなど生前ギッリと交流の深かった関係者のインタビューなどを目にすることができる。

展覧会概要

展覧会「総合開館30周年記念 ルイジ・ギッリ 終わらない風景」
会期：2025年7月3日(木)～9月28日(日)
会場：東京都写真美術館 2階展示室
住所：東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
開館時間：10:00〜18:00
※8月8日(金)までの木・金曜日は20:00閉館、8月14日(木)から9月26日(金)までの木・金曜日は21:00閉館
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日：月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日に休館)
観覧料：一般 800円(640円)、学生 640円(510円)、高校生・65歳以上 400円(320円)
※( )は有料入場者20名以上の団体、同館の映画鑑賞券の所持者などの割引料金
※中学生以下、障害者手帳の所持者および介護者(2名まで)は無料
※サマーナイトミュージアム割引：8月14日(木)から9月26日(金)までの木・金曜日の17:00以降は、学生・高校生無料、一般・65歳以上は団体料金(学生証や年齢を確認できるものを要提示)
※オンラインで日時指定チケットを購入可

■ドキュメンタリー映画『Infinito』上映とゲストによるアフタートーク
日時：いずれも上映80分＋アフタートーク約50分
・8月24日(日)14:00～16:30 ゲスト：岡田温司
・9月12日(金)17:00～19:30 ゲスト：森岡督行
会場：東京都写真美術館 1階ホール
参加費：無料
定員：190名
※整理番号順入場(当日10:00より、1階総合受付にて整理券を配布)、自由席、日本語字幕付

【問い合わせ先】
東京都写真美術館
TEL：03-3280-0099