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明治期の写真師・小川一眞の展覧会が東京・印刷博物館で - 近代日本における写真製版の発展を紹介

企画展「明治のメディア王 小川一眞と写真製版」が、東京の印刷博物館にて、2023年11月18日(土)から2024年2月12日(月・振)まで開催される。

小川一眞、明治時代の写真製版

「東宮御所御写真」より《朝日之間西北隅》
1909年 コロタイプ印刷  東京大学総合研究博物館(インターメディアテク)蔵
「東宮御所御写真」より《朝日之間西北隅》
1909年 コロタイプ印刷 東京大学総合研究博物館(インターメディアテク)蔵

小川一眞(おがわ かずまさ)は、写真が社会に広まっていった明治時代に活躍した写真師だ。写真は写真、印刷は印刷で完結し、それらが互いに結びついていなかったなか、小川は写真製版によって数多くの印刷物を製作、出版している。新聞や雑誌、書籍などがメディアの中心となっていった明治時代にあって、写真入りの印刷物は大きな役割を担うこととなったのだった。

『ILLUSTRATED DESCRIPTION OF THE HO-O-DEN (PHOENIX HALL)』
1893年 網目版印刷 東京都江戸東京博物館蔵
『ILLUSTRATED DESCRIPTION OF THE HO-O-DEN (PHOENIX HALL)』
1893年 網目版印刷 東京都江戸東京博物館蔵

小川は、コロタイプ印刷と網目版印刷という2つの写真製版技術を日本に導入している。 コロタイプ印刷は、写真製版としてもっとも古く、精巧な仕上がりを特徴とする一方、網目版印刷は、濃淡を網目状の点の大小で表わすものである。企画展「明治のメディア王 小川一眞と写真製版」では、小川がコロタイプ印刷と網目版印刷で手がけた印刷物を中心に約100点の資料を展示し、写真製版が印刷をどのように変えたのか、そのなかで小川がどのような影響を与えたのかを探ってゆく。

コロタイプ印刷の写真集

『國華』1号より《無著像》
1889年 コロタイプ印刷 印刷博物館蔵
『國華』1号より《無著像》
1889年 コロタイプ印刷 印刷博物館蔵

小川が生まれたのは、幕末期、写真術や石版印刷術といった西洋の複製技術が日本にもたらされつつある頃であった。10代で写真術に関心を持った小川は、渡米して最新の写真術と印刷術を学び、明治22年(1889年)、日本初の美術雑誌『國華』の写真図版をコロタイプ印刷で手がけている。こうして、日本で写真製版が本格的に幕を開けることになった。会場では、『國華』や『Histoire de l‘art du Japon』など、小川がコロタイプ印刷で手がけた写真集を目にすることができる。

網目版印刷の印刷物

海軍省認可 『日露戦役海軍写真帖 全』
1905年 網目版印刷 東京都江戸東京博物館蔵
海軍省認可 『日露戦役海軍写真帖 全』
1905年 網目版印刷 東京都江戸東京博物館蔵

コロタイプ印刷業を営んでいた小川は、明治26年(1893年)、シカゴ万博の時期に渡米。現地で日本のパビリオン「鳳凰殿」の解説書がないことを知ると、シカゴで網目版印刷の『ILLUSTRATED DESCRIPTION OF THE HO-O-DEN (PHOENIX HALL)』を出版し、帰国後の翌年には本格的に銅網目版印刷業を始めることになった。こうした写真製版は、日清戦争や日露戦争の報道に際しても活躍している。本展では、小川が網目版印刷で出版した印刷物を展示する。

写真師として初の帝室技芸員に

『清国北京皇城写真帖』
1906年発行、1912年献納 コロタイプ印刷 東京国立博物館蔵
『清国北京皇城写真帖』
1906年発行、1912年献納 コロタイプ印刷 東京国立博物館蔵

コロタイプ印刷と網目版印刷業で成功を収めた小川は、明治43年(1910年)、帝室技芸員に拝命されている。これは、皇室によって優れた美術工芸家を顕彰、保護するために発足した制度であり、小川は写真師として初の帝室技芸員となった。明治45年に明治天皇が崩御すると、帝室技芸員は霊前に供えるための作品を制作し、献納している。本展では、小川がこうして手がけたコロタイプ印刷物、『清国北京皇城写真帖』などを紹介する。

展覧会概要

企画展「明治のメディア王 小川一眞と写真製版」
会期:2023年11月18日(土)〜2024年2月12日(月・振)
会場:印刷博物館
住所:東京都文京区水道1-3-3 TOPPAN小石川本社ビル
開館時間:10:00〜18:00
休館日:月曜日 (1月8日(月・祝)、2月12日(月・祝)は開館)、12月29日(金)~1月3日(水)、1月9日(火)
入場料:一般 500円、学生 300円、高校生 200円
※中学生以下、70歳以上、障がい者手帳などの所持者および付添者は無料
※20名以上の団体は各50円引き

【問い合わせ先】
印刷博物館
TEL:03-5840-2300(代表)

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