再開発が進む東京・渋谷で胡蝶蘭の配送運転手として働く青年、蓮。ある日、蓮は配達中に父と数年ぶりに再会する。姉・恵美にそのことを話すが、恵美は一見すると我関せずといった様子で黙々と自分の結婚の準備を進めている。母失って以来、姉弟と父は疎遠になっていたのだ。悶々と日々を過ごしていた蓮だったが、彼はもう一度家族の距離を測り直そうとする。変わりゆく街並みを見つめながら、家族にとって、最後の一夜が始まる。
映画『見はらし世代』は、長編映画初監督となる団塚唯我が監督と脚本を手がけたヒューマンドラマ。再開発が進行中の東京・渋谷を舞台に、母を亡くして以降父と疎遠になっていた姉弟が、家族の絆を改めて見つめ直していく姿を繊細に描く。主演は、NHK連続テレビ小説「ブギウギ」で俳優デビューを飾った黒崎煌代。父・初役には遠藤憲一、母・由美子役は井川遥が担当する。本作は、第78回カンヌ国際映画祭の監督週間において、日本人監督として最年少で選出された。