企画展「南画×近代(Modern-Age)：大正～昭和初期を中心として」が、富山県水墨美術館にて、2022年11月18日(金)から2023年1月15日(日)まで開催される。

近代における南画を再考

南画(なんが)とは、古今東西の画派の要素を取り入れつつ生まれ、江戸後期から明治初期にかけて興った日本独自の絵画だ。その代表的な画家に、池大雅(いけのたいが)や与謝蕪村(よさぶそん)を挙げることができる。本来、南画は反権威的で柔軟な性格であったものの、明治期には形式主義に囚われた「つくね芋山水」と非難されるなか、衰退したものとして捉えられてきた。

しかし、大正期に入ると、西洋美術におけるポスト印象主義以降の新しい動向が日本画家たちにも影響を与え、南画にあらためて注目が集まることになる。そこには、技術よりも表現性を重んじるという南画の姿勢を、当時の西洋美術における非写実的な傾向と重ね合わせようとする考えがあったようだ。時として洋画家によって手がけられるなど、画派を超えた自由な精神と表現性に特徴付けられるこれらの絵画は、「新南画」と呼ばれるようになる。

企画展「南画×近代(Modern-Age)：大正～昭和初期を中心として」では、日本の近代美術史において重視されてこなかった、近代の南画を再考。「新画題の試み」や「写生と没入」、「東洋美への憧憬」など、幾つかの視点を設定し、横山大観、今村紫紅、村上華岳、そして岸田劉生など、28人の作家を取り上げてその作品を紹介する。

展覧会概要

企画展「南画×近代(Modern-Age)：大正～昭和初期を中心として」
会期：2022年11月18日(金)～2023年1月15日(日) 会期中に展示替えあり
［前期 11月18日(金)～12月11日(日) / 後期 12月13日(火)～1月15日(日)］
会場：富山県水墨美術館
住所：富山県富山市五福777
開館時間：9:30〜18:00(入室は17:30まで)
休館日：月曜日(1月9日(月・祝)は開館)、11月24日(木)、12月29日(木)～1月3日(火)、1月10日(火)
観覧料：一般 900円(700円)、大学生 450円(350円)
※( )内は20人以上の団体料金
※この料金で常設展も観覧可
※小学校・中学校・高校などの児童・生徒およびこれらに準ずる者、各種障がい者手帳の所持者は観覧無料
※前売券(一般 700円)は、11月17日(木)まで、富山県水墨美術館ほかにて販売

【問い合わせ先】
富山県水墨美術館
TEL：076-431-3719