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「イメージ・メイキングを分解する」東京都写真美術館で、既存の技術の使い方を超えたイメージ生成の試み

展覧会「イメージ・メイキングを分解する」が、東京都写真美術館にて、2022年8月9日(火)から10月10日(月・祝)まで開催される。

新たな“イメージ・メイキング”の可能性を探る

タマシュ・ヴァリツキー《二眼レフカメラ》「想像のカメラ」より 2017/2018年 作家蔵
タマシュ・ヴァリツキー《二眼レフカメラ》「想像のカメラ」より 2017/2018年 作家蔵

「イメージ」という言葉が指し示す範囲は幅広く、絵画、写真、映画、テレビといった視覚表現ばかりでなく、夢、言葉で表しがたい曖昧な印象、そして目に見えるものから心の中に浮かんだことまで含まれる。このように、実体を持たないイメージに可視的な形を与えることを、ここでは「イメージ・メイキング(image-making)」と呼ぼう。

科学的な技術の発展により、光学を活用したイメージ・メイキングが飛躍的に進歩したいま、人間の視覚を再現することにとどまらず、肉眼では本来目にすることができないイメージをも生みだすことが可能となった。これは視覚的表現の可能性を拡大する一方で、技術の標準化にもつながった。

木本圭子《INSIDE》2009年 東京都写真美術館蔵
木本圭子《INSIDE》2009年 東京都写真美術館蔵

展覧会「イメージ・メイキングを分解する」では、古今の光学技術を超え、イメージ・メイキングの既存の枠組みを問い直す試みに着目。カメラ・ルシーダやゾートロープなど、多彩なイメージ・メイキングの装置とその原理に光をあてるとともに、コンピュータや数学、レンズレスといった新たなイメージ・メイキングの手法による作品を手がける作家たち、「アート・エクス・マキナ」の作家、木本圭子、藤幡正樹、そしてタマシュ・ヴァリツキーを紹介する。

コンピュータによるイメージ制作の先駆者

川野洋《無題(Red Tree)》「Art Ex Machina」より 1972年 個人蔵
Copyright Gilles Gheerbrant 1972/2022
川野洋《無題(Red Tree)》「Art Ex Machina」より 1972年 個人蔵
Copyright Gilles Gheerbrant 1972/2022

「アート・エクス・マキナ(Art Ex Machina)」は、1972年に出版された版画のポートフォリオであり、ゲオルク・ネースや川野洋など6人の作家が参加した。60〜70年代におけるコンピュータ・アートの先駆的存在であった彼らは、当時は主に事務や科学計算に使用されていたメインフレーム・コンピュータなどを、本来の目的とは異なる芸術分野で活用したのだった。本展では、コンピュータでイメージ・メイキングを行なった先駆者による作品を展示する。

数学・イメージ・身体感覚

木本圭子《Imaginary・Numbers》2012年 作家蔵
木本圭子《Imaginary・Numbers》2012年 作家蔵

木本圭子は、数理アルゴリズムという抽象的な数学の世界を、物理的実体として作品化する。幼少期より絵を描くことを好んできた木本にとって、演算によって美しい線や絵を容易く描くことができるコンピュータの存在は、描画という行為に伴うはずの身体的な緊張感を揺るがすものであった。数学のシステムに基づく木本の作品は、それゆえ、そこに身体感覚との接点を接点を見出そうと試みるものであり、生き物のような柔らかさと流麗さを持ちあわせている。会場では、平面、立体、映像の作品とともに、作家の制作過程を垣間見ることができる制作ノートも展示する。

“レンズレス”のカメラで捉える世界

藤幡正樹《ルスカの部屋》2004/2022年 東京都写真美術館蔵[参考図版]
藤幡正樹《ルスカの部屋》2004/2022年 東京都写真美術館蔵[参考図版]

藤幡正樹の《ルスカの部屋》は、通常のカメラのようにレンズで光を集める代わりに、光を対象物に走査させることで像を生みだす作品だ。その基本原理は走査型電子顕微鏡と同じであり、対象にレーザーを照射し、その反射光の量とピクセルの位置を同期させることでイメージ・メイキングを行うものである。本展では、いわば「レンズのないカメラ」による作品である本作を再制作して展示。展示室内で実際にレーザーが照射され、像が生成されてゆく過程を体験することができる。

“あり得たかもしれない”イメージの提示

タマシュ・ヴァリツキー《ゾートロープ・カメラ》「想像のカメラ」より 2017/2018年 作家蔵
タマシュ・ヴァリツキー《ゾートロープ・カメラ》「想像のカメラ」より 2017/2018年 作家蔵

タマシュ・ヴァリツキーは、2019年の第58回ヴェネチア・ビエンナーレに出品するなど、国際的に注目される作家だ。映像機器のテクノロジーを分解して分析して活用するヴァリツキーの作品は、カメラに慣れ親しんできた人びとの「普通の」視覚体験を問い直すものである。本展では、「あり得たかもしれない」想像上の映像機器をデザインして提示する、第58回ヴェネチア・ビエンナーレ出品作「想像のカメラ」を日本初出品するとともに、初期のコンピュータ・アニメーション《ザ・ガーデン》をはじめとする代表作も紹介する。

展覧会概要

展覧会「イメージ・メイキングを分解する」
会期:2022年8月9日(火)〜10月10日(月・祝)
会場:東京都写真美術館 B1F展示室
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
開館時間:10:00〜18:00(木・金曜日は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館、翌平日休館)
観覧料:一般 700円、大学・専門学校生 560円、中高生・65歳以上 350円
※小学生以下および都内在住・在学の中学生、障害者手帳の所持者とその介護者(2名まで)は無料
※内容は変更となる場合あり(最新情報については美術館ホームページを確認のこと)

【問い合わせ先】
東京都写真美術館
TEL:03-3280-0099

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