英国のダイアナ元皇太子妃を描く映画『スペンサー ダイアナの決意』が、2022年10月14日(金)に公開される。本作で主演を務めたクリステン・スチュワートは第94回アカデミー賞にて主演女優賞にノミネートされた。
2022年は、ダイアナ元皇太子妃が交通事故で亡くなったという衝撃のニュースが世界中を駆け巡ってから、25年にあたる節目の年。世界中で「ダイアナ・フィーバー」を巻き起こし、2人の息子を育て、人道支援活動に心を注いだ「愛の人」として多くの人々に希望を与えながら、36年という短い生涯を駆け抜けた彼女。ダイアナはあの時、何を思ったのかー。
映画『スペンサー ダイアナの決意』は、そんなダイアナ元皇太子妃の人生を変えたクリスマス休暇を描いた作品。英国王室の伝統的な習わしとして、クリスマス休暇中にはロンドンから北に160キロ離れたノーフォーク州にあるエリザベス女王の私邸サンドリンガム・ハウスにロイヤルファミリーが集結し、家族団らんを楽しむのが恒例だ。
物語の舞台となるのは、1991年12月。サンドリンガム・ハウスを訪れたダイアナだったが、この時、チャールズ皇太子との離別を決意したとされている。すでにチャールズとカミラの関係について知っていたというダイアナだが、幸せの象徴であるクリスマスを、彼女はどう過ごしたのだろうか?華やかであると同時に厳かなクリスマスも描かれており、一般家庭から皇族入りをしたダイアナには息苦しさを覚える驚くべき習慣の数々も明かされる。
劇中には、イギリス王室のクリスマスの伝統的なしきたりにまつわる一場面も。ダイアナは、クリスマスを過ごすためにロイヤルファミリー全員が集まるサンドリンガムハウスに遅れて到着した。“体重を計る”という王室クリスマス伝統のしきたりをほかのファミリーと同様に遂行しようとする小姓に、ダイアナは見逃してほしいと頼む。しかし、「伝統は守らねばなりません」と静かな圧力をかけられ、ダイアナは「分かった。もめ事は避けたい」と嫌々ながら体重計にのるのであった。
この“体重を量る”というクリスマスの伝統は1900 年代初頭にエドワード7世が「クリスマスのゲストがどれだけ楽しんだかを体重増加で測りたい」と提案したことから、100年以上も続いてきたしきたり。何年もの間摂食障害に苦しんでいたダイアナにとっては体重測定ほど苦しいものはなく、ダイアナの苦悩が垣間見えるシーンだ。
2021年から2022年の賞レースに絡んでくる重要作品との呼び声も高い映画『スペンサー ダイアナの決意』。2021年9月の第78回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門でワールドプレミア、トロント映画祭にも出品されているほか、演者の高い演技力にも熱い視線が注がれている。
ダイアナ...クリステン・スチュワート
ダイアナを演じるのは、『トワイライト』シリーズ、『チャーリーズ・エンジェル』のクリステン・スチュワート。彼女が激動の人生を歩んだダイアナをどのように演じるのか?すでに世界の名立たる映画賞を受賞しているほか、第94回アカデミー賞で主演女優賞に、第79回ゴールデングローブ賞では、<ドラマ部門>の主演女優賞にノミネートされた。
チャールズ皇太子...ジャック・ファーシング
「風の勇士 ポルダーク」のジャック・ファーシングがチャールズ皇太子役を演じる。
グレゴリー…ティモシー・スポール
王室の小姓。『英国王のスピーチ』のティモシー・スポールが演じる。
その他、、『シェイプ・オブ・ウォーター』のサリー・ホーキンス、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』のショーン・ハリスらが脇を固める。
監督は、『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』や『エマ、愛の罠』で知られるパブロ・ララインが務めた。
1991年のクリスマス。ダイアナ妃とチャールズ皇太子の夫婦関係はもう既に冷え切っていた。不倫や離婚の噂が飛び交う中、クリスマスを祝う王族が 集まったエリザベス女王の私邸サンドリンガム・ハウス。ダイアナ以外の誰もが平穏を取り繕い、何事もなかったかのように過ごしている。息子たちとのひと時を除いて、ダイアナが自分らしくいられる時間はどこにもなかった。ディナーも、教会での礼拝も、常に誰かに見られている。彼女の精神はすでに限界に達していた。追い詰められたダイアナは、生まれ育った故郷サンドリンガムで、今後の人生を決める 一大決心をする。
なお、同じくダイアナ元皇太子妃を描いたドキュメンタリー映画『ダイアナ(原題)』も2022年に公開される。
【詳細】
映画『スペンサー ダイアナの決意』
日本公開日:2022年10月14日(金)
全米公開日:2021年11月5日(金)予定
出演:クリステン・スチュワート、ジャック・ファーシング、ティモシー・スポール、サリー・ホーキンス、ショーン・ハリス
監督:パプロ・ラライン