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地道な努力の積み重ねが切り開く、世界への道

司会:蜷川さんは世界を舞台に活躍されていますよね。将来的には歌磨呂さんも世界を舞台に活躍したいっていう思いがあると伺っていますが、その中で、実花さんから歌磨呂さんに対して何かアドバイスはありますか?それから、歌磨呂さんのリクエストで、実花さんにとってお仕事のターニングポイントはあったのか、というのをお伺いできれば。

蜷川:もちろん、賞をとりましたとか、雑誌始めました、映画やりましたとか色々あるんだけど、やっぱり一気に飛び越すことってないんです。ただひたすら、ひとつひとつの仕事を丁寧にやっていただけで。っていうと綺麗ごとっぽいんだけど、フリーランスで仕事してる限りは、良くなかったらあっという間に切られます。それが例えば1本の雑誌で1回面白そうだなって思ってもらって呼んでもらっても、なんとなく良くなかったら、その後5年は来ないんですよね、絶対。それくらい、フリーで仕事をもらっていくのって大変で。

特に最初の頃は、本当に毎回試験みたいだなって思ってやっていて。同じ所から2回目の依頼が来たら、前より良くなかったら尻ぼみになっていなくなっちゃうし、っていう環境でずっとやっていて、私もう仕事はじめて19年目くらいになるんですけど、「あそこもっとこうしておけば良かったな」とか「あそこで手抜いちゃったな」とか思った失敗って、やっぱり悔しいじゃない?

歌磨呂:うん。

蜷川:だけど、あれは失敗だったかもしれないけど、120%やってあれしかできなかったって思ったら、それはしょうがないことじゃん。自分の実力不足だし。だからとにかく、絶対に手を抜かずに、どんな仕事でもひとつひとつを「120%やった」って言えるようにやろうって思ってやってきていて、そういうことの積み重ねでしかない。

もちろん、タイミング良く映画を撮ったから認知度が広がりましたとか、『ヘビーローテーション』をたまたま沢山の人たちが見てくれたから一般に知られたとかはあるんだけど、でもそれって最初からわかってる訳じゃないから、やっぱりどの仕事も超真面目にやるしかないかなと思ってやってます。

歌磨呂:なるほど。素晴らしいですね。

蜷川:意外と大変。ターニングポイントって、だから、そう言う意味ではないんですよ。思えばあれが転機だった、みたいな作品はあるけど、でもそれって最初から分かってる訳じゃないし。

歌磨呂:今は映画も撮られてますけど、写真家として、ずっと撮り続けようって思ったのはいつ頃なんですか?

蜷川:高校生の時に一眼レフを自分で買って。その時からすごく興味はあったけど、写真で食べて行くって決めたのは大学になってからかな。

歌磨呂:はぇー(笑)。

司会:大学生の時は、もう既に他の学生が声をかけるのをためらってしまうくらいのスターだったっていう話を聞いたことがあります。

蜷川:そんなことはないんだけど、学校行きながらこういう仕事をしてたんですよ。それってやっぱり美大だったので、一歩先に行ってるように見えるじゃないですか、だからだと思うけど。せっかちだったの。早く仕事やりたい!早く仕事やりたい!って(笑)。

司会:逆に歌磨呂さんは、自分の中のアートをイラストとかグラフィックで表現していこうって決めたのはいつ頃だったんですか?

【対談】ファンタジスタ歌麿呂×蜷川実花が語る、一流としてのクリエイションへの向き合い方 | 写真

歌磨呂:自分ではこれからだと思ってて。昔から絵を描くのが好きで、美大とかも行かせて頂いたんで、そういう流れが来てるっていうのはあるんですけど。

僕の場合は、子供の頃に引っ越しが多かったことがあって、自分の居場所に対する執着心がすごく強いんですよ。デザインを勉強するにあたって、自分のいる場所だからできるものって何だろうって考えるようになって、それでデザインとアートを含んだマンガ作品を発表したり、マンガカモの『ドドド』とかもそうなんですけど、世界に対して日本のモチーフを記号的にやるっていう活動は、18歳くらいからやってましたね。アニメーションとかマンガもすごく好きだったので。

ここ数年ですよね、こういうサブカルチャーとかポップカルチャーみたいなものがオシャレというか、一般的に普及していったというか。村上(隆)さんは、そういうのをとっくの昔にやってますけど。それとともに名前が出て来たっていう感じで。まだまだです、僕とか(笑)。全然僕はこうですとかそこまではまだ言えないです。まぁ、あと2、3年かな。

蜷川:あと2、3年で何したいんですか?2、3年後は何してる?どこにいる?どんなイメージ?

歌磨呂:2、3年はテキスタイル、生地のブランドをこれからちゃんと作って行って、海外とかでも発表していこうと思ってるんですけど。それがもうちょっと広がって、アート活動も本格的にスタートしていこうと思っていて、やっと自分の中で準備が出来たので。世界に向けてやっていけたらなと思っています。これが、そのきっかけになるような雑誌になれば良いかなと。

司会:そうですね。今回は第1号目で、第2号目も控えてますから。

蜷川:すごいね!何するの、第2号は?

歌磨呂:第2号(笑)。何するのかはまだ決まってないんですよね。パリ・ロンドンへって書いてあるけど。

司会:最後にお二人に、近い将来何か二人でお仕事をするっていうプロジェクトは動いてたりしますか?もしくは何かしたいなという希望があればお伺いしたいと思うのですが。

歌磨呂:いつもやりたいなって思ってます。声かけてくんないかなぁって。

蜷川:(笑)仕事の予定はまだないんですけど、一緒に遊びに行く予定は結構満載で。

歌磨呂:それがね。楽しみかなっていう。

司会:遊びの中から仕事が生まれて行くことも?

蜷川:でも、歌ちゃんとの出逢いはそうでしたね。私的にこういうスタートは珍しかったんですけど、歌ちゃんとはそうだったので、なんか遊びに一緒に行って、そこから動いて行くこともあるだろうし。まだ色んなことができると思うので、今これをっていう風には決めてないけど、なんかやろうねっていうのは常に思ってる。

歌磨呂:でもまぁなんか今年なんかやりそうですよね。

司会:今後がますます楽しみなお二人ということで・・・。

蜷川:強引にまとめてきたね(笑)。

司会:(笑)今日はお忙しい中、お二人もみなさんも、どうもありがとうございました!

【対談】ファンタジスタ歌麿呂×蜷川実花が語る、一流としてのクリエイションへの向き合い方 | 写真

ユーモアを交えながらも、クリエイションに対する強い思いがうかがえた今回のトークイベント。会場となったTSUTAYA六本木店内では、6月19日までの期間限定で、ファンタジスタ歌磨呂のグラフィックを用いたスペシャルプロダクトが特別展示販売される。歌磨呂ワールド一色に染められたブースから溢れ出るエネルギーを、ぜひ一度体感してみて。

【概要】
「What's a FANTASISTA UTAMARO!? by QUOTATION」
発売日:2013年5月24日(金) ※年2回発行予定
発 行:株式会社 MATOI PUBLISHING
価格: 780円

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