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ヴェルサーチェ(VERSACE)は、2019-20年秋冬メンズ＆ウィメンズコレクションをイタリア・ミラノで発表した。
今シーズンのメンズは、従来男らしいとされてきた既存の概念を書き換えるようなイメージを提案。例えば、スマートフォンがぴったり入る程の、小ぶりなサッチェルバッグはいささかフェミニンなアイテムと捉えられがちだが、あえてスタイリングの中に取り入れることで新たなメンズスタイルを構築していく。また、ウィメンズにおいても、メンズとクロスオーバーするようなアイテムが登場。芯の強い、凛とした女性像が描き出されている。コレクションを通して感じられるのは、個性や主張の強さだ。
ショーの序盤を飾ったのは、ブラックやレッドを基調としたクールなルック。モノグラムのウールコートや、ニットセーター、ジャケットに、ゴールドのアクセサリーやバッグのパーツが華やかなアクセントを加える。端正な黒のセットアップに光るのは、ゴールドのボタンと、文房具のクリップを模したブローチ。鍵や文房具などの日用品を象ったジュエリーは、見るだけで楽しくなるような遊び心に溢れている。
ハーネスを描いたトロンプルイユのブラウスやブルゾンを着用したモデルがランウェイ上に現れたかと思えば、実際にハーネスを使用したルックも登場。ビジューやスタッズが輝くハーネスを組み合わせたオールブラックのミニドレスには、同様の装飾を施したダウンジャケットを羽織り、ゴージャスでアクティブなムードを漂わせる。
注目したいのは、賑やかでポップな柄の数々。缶バッジを所狭しと総柄にしたカラフルなパンツやブルゾン、レオパードのファーコート、デコラティブな柄を一面に施したリバーシブルのダウンコートなど、思わず目を留めてしまう華やかな模様が勢揃い。きらびやかなジュエリーを描いたドレスには、1つ1つ手縫いでビジューがあしらわれており、より一層華やかさを増した表情に仕上がっている。
また、自動車メーカーのフォードとコラボレーションしたジャケット、ブラウス、パーカー、スニーカーなども登場。レディメイドのポップアートのように、ストレートなデザインがインパクトを残す。初めて乗る車として、欧州に住む人々の青年期の思い出に刻まれるフォード。キャッチーなブルーのロゴが、親近感を感じさせる。
ディテールのデザインにも、プレイフルな要素が詰め込まれている。イエローのダッフルコートにはライムグリーンのコードやPVCのポケットが施されており、女性モデルがショートパンツとして着用したり、メンズのスラックスの下に重ねたりされているボクサーパンツには、スパンコールでブランドロゴを表現。チェスターコートのグレンチェック柄には、さりげなくブランドの頭文字である“V”が隠れている。一見した時の華やかな魅力と、仔細に見た時の驚き、凝縮されたデザイン性を併せ持ったアイテムが一堂に会した。
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