ダイリク(DAIRIKU)は、2026年春夏メンズコレクションを発表した。
今シーズンは映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』から着想を得て、" How old am I? "をテーマにコレクションを展開。ブラッド・ピット主演の『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』で描かれるのは、80歳で生まれ、年を取るごとに若返っていく特別な人生を歩む男の物語。成長していくにつれて、逆の変化を辿っていく時の経過をデザインに落とし込んだ。
ブラックのテーラードジャケットやパンツ、ジャンプスーツにはしつけ糸が残されており、中には袖のパーツが無く裏地が見えているテーラードジャケットも登場。また、グラデーションプリントで絵柄が表れる境目を表現したトロンプルイユのタンクトップや、レース地が浮かび上がってきたかのようなプリントのカットソーもまた、徐々に変化していく様を反映したピースだ。
ベンジャミン・バトン(Benjamin Button)のスペルが“ボタン”と共通していることにちなんで、ボタンにフォーカスしたデザインも多く展開されている。デニムシャツや襟付きのカットソーには、規則的にボタンを並べて幾何学模様を描き出した。また、カーディガンやパンチングシャツのボタンは、ボタンを縫い付けるステッチで小さな花のモチーフをあしらい、ささやかな遊び心を効かせている。
ジャケットの前合わせには、大きなボタンに重ねて小さなロゴ入りボタンを配し、さらっとした感触のプリーツニットにはブランドのイニシャル“D”を刻印したメタルボタンが並ぶ。構築的に仕上げたサマーニットもまた、異なる編地同士をボタンで繋ぎ合わせている。
浮遊感のある花柄ジャカードのジャケットやブルゾンをはじめ、アウター類は従来のダイリクが展開してきた春夏コレクションと比較して軽快な仕上がりのものが散見された。シルク混のウインドブレーカーや、透け感のあるチェック柄ウールのシャツ地で仕立てたブルゾン、しなやかに身体に沿うようなスカジャンなど、軽やかな着心地のアウターが揃う。
アウターの他、カットソーやシャツも全体的に柔らかくしなやかな質感で、軽さを感じる仕上がりとなっているのが印象的だ。スタッズを並べた、落ち感のあるカットソーはネックを広く設定し、程よくゆとりを持たせることで、きれいめなシルエットながらも肩の力が抜けた佇まいに。ネクタイを結んだシャツにカットソーをレイヤードしたルックや、シャツの上からカットソー、タンクトップを重ねた着こなしなど、従来のニットアイテムのような感覚でカットソーを用いたスタイリングも目を引いた。
また、アロハシャツは薄いニット地で提案。ヴィンテージの和柄アロハシャツをそのまま転写しており、ソフトなニットと繊細に描かれた和の風景が、新鮮な調和を見せている。