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映画『バイス』主演クリスチャン・ベールにインタビュー”この映画は人間の検証のような作品”

映画『バイス』が、2019年4月5日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国の劇場にて公開される。

米史上最も権力を持った副大統領の裏側を描く、社会派エンターテインメント

クリスチャン・ベール, リスチャン・ベール インタビュー|写真5

「副」「代理補佐」の他に「悪」の意味も持つ「vice」をタイトルに掲げた映画『バイス』は、アメリカ・ワイオミング州の田舎の電気工から“事実上の大統領”に上り詰め、ジョージ・W・ブッシュ政権下で強大な権力と共にアメリカを自在に操ったディック・チェイニー副大統領の裏側を描く社会派エンターテインメント。

クリスチャン・ベール主演、チェイニー副大統領の20代〜70代までを1人で再現

クリスチャン・ベール, リスチャン・ベール インタビュー|写真1

チェイニー副大統領役を演じるのは、『ダークナイト』『アメリカン・ハッスル』などで知られるクリスチャン・ベール。マッケイ監督が「クリスチャン・ベール以外にこの役をできる人を思いつかなかったし、もし断られていたら、多分この映画を作ることはなかった」と語るほどの“ハマリ役”だ。

抜擢されたベールは、チェイニーの人格だけではなく、20代から70代までの見た目を、約20キロに及ぶ体重の増減や髪の剃毛、眉毛の脱色で再現するなどストイックなアプローチで演じ、オスカー俳優の迫力を遺憾なく発揮している。

エイミー・アダムス、スティーヴ・カレル、サム・ロッウェルら出演

そのほか、チェイニーの妻役に『アメリカン・ハッスル』『メッセージ』のエイミー・アダムス、ラムズフェルド国防長官役に『フォックスキャッチャー』『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』のスティーヴ・カレル、ブッシュ大統領役に『アイアンマン 2』『スリー・ビルボード』のサム・ロックウェルら豪華キャストが出演している。

監督アダム・マッケイ×製作ブラッド・ピット、『マネー・ショート』のチームが再集結

『マネー・ショート』で第88回アカデミー脚色賞を受賞したアダム・マッケイが監督を担当。また、同作でもタッグを組んだブラッド・ピットがプロデュースを務める。

主演クリスチャン・ベールにインタビュー

“米史上最強で最凶”とも謳われる副大統領、ディック・チェイニー役を演じたクリスチャン・ベールにインタビューを実施。彼が『バイス』に掛けた想いは何だったのかを伺った。

©jasonfrankrothenberg
©jasonfrankrothenberg

『バイス』の題材には、9.11など政治的な話が主題として取り上げられています。しかし、クリスチャン・ベールさんは、この作品を政治的な話にはしたくなかったそうですね。

『バイス』は、人間の検証のような作品。私がやりたかったことはそこです。

人間の検証のような作品とは、具体的にはどのような作品であることを指すのでしょうか。

それは、ユーモア、コメディ、悲劇がもたらす多くの感情、愛国心といったものが、すべて盛り込まれていて、これまでにないほど、人間の持つあらゆる感情を抱かせてくれる映画です。

愛国心をうたう人が嘘をついていて、民主主義を壊し、そのせいで人々が死ぬ。その大きな悲劇によって、多くの感情が湧き出してくる。さらに、権力をもつ人たちのバカバカしさも描かれている。本当に多くの部分で驚きを与えてくれる作品です。演じている僕でさえ、5分ごとに驚かされると言っていいほど。

クリスチャン・ベール, リスチャン・ベール インタビュー|写真9

演じたディック・チェイニーへの印象はいかがでしたか。

ディック・チェイニーは、才覚のある人物。逮捕経験があって、大学も中退していますが、権力争いに長けていました。最年少で大統領首席補佐官になり、そのあと長年その役職を全うし、ついには副大統領の地位を得て、史上最も強大な権力を握った。アメリカの政府を実質的に動かしていたといっても過言ではありません。

しかし、世界には、彼を戦争犯罪で裁判にかけるべきだという人もいる。もちろんその意見も理解できます。だって、彼は世界の情勢を永遠に変えてしまったのだから。

クリスチャン・ベール, リスチャン・ベール インタビュー|写真4

役作りで心がけていたことはありますか。

先ほども言ったようにこの作品は、人間の検証を含んでいます。だから私は、チェイニーを、奥行きのない表面的な人物にはしたくなかった。彼の本質を掴むことを1番大切にしていました。そして、それがとても大変なことでした。

モノマネのようになってしまうと、10分~15分もすれば観客は見飽きてしまう。特に今回は政治的な話だから尚更。だから私は、彼を肯定的な目で捉えようと考えていました。

肯定的な目で捉えるとはどのようなことですか。

チェイニーの政治観を受け止めて、素直に信じ、1人の人間としての彼のいい点や真実を探ることです。実のところは、彼の考えの半分も同意できていません(笑)。

でも、彼を否定的に捉えてしまったら、私の政治観が反映され、それが作品の妨げになってしまいますし、観客に僕の政治的思想が見えないよう心掛けました。もちろん、政治的な側面には強く興味を惹かれますし、カメラが回っていない時は、そういう会話もしていましたけどね(笑)。

チェイニーを受け止め、その先に見えたものは何ですか。

チェイニーは、嘘をつくことをなんとも思っていないですし、そうすることで民主主義が破壊されるのだとも、思っていません。でも、そんな彼にも、家族思いで、エプロンをつけて家族のために料理をするという一面があり、穏やかな人間性がある。

検証することで、彼の本質が見えてくる。そうすることで、『バイス』は、政治的な姿勢に関わらず、誰もが魅了されるような作品、驚きを感じる作品になったと、私は思っています。いろんな部分ですごい!と思わせてくれる。私が予想していた以上に、上手くいったし、とてもいい映画になったと感じています。

『バイス』の中で、クリスチャン・ベールは、20代から70代までのチェイニーを外見から内面まで、ストイックなアプローチから1人で演じきった。次に伺ったのは、クリスチャン・ベール役作りについてだ。

©jasonfrankrothenberg
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