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ソフィア・コッポラにインタビュー"自分の限界をプッシュできる作品作りは、私の好きなこと"

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ソフィア・コッポラが、『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』で監督を務めた。女性の活躍が目覚ましい近年でも、映画界で"女性監督"の肩書を持ち、その名を馳せる者は一握り。そんな厳しい世界に身を置きながら、彼女は、カンヌ国際映画祭で女性史上2度目の快挙となる「監督賞」を、本作で受賞した人物である。

『ゴッドファーザー』を手掛けた父、フランシス・フォード・コッポラの才能を引き継ぎ、『ヴァージン・スーサイズ』『ロスト・イン・トランスレーション』『SOMEWHERE』『マリー・アントワネット』といった、数々の代表作を世に送り出しただけでなく、デザイナー、写真家、演出家としてもマルチに活動を続けているソフィア・コッポラ。一体彼女はどのような感性を持ち、作品を生み出しているのか、話を伺った。

ソフィア・コッポラにインタビュー

撮影:ホンマタカシ

Q.映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』を作成した経緯を教えてください。

(原作小説『The Beguiled』を)面白い物語だと思ったからです。私自身南北戦争の時代に以前から興味を持っていましたし、7人の世代の違う女性たちが、1つの館に暮らしているという状況も、物語としてとても面白いと思いました。

南北戦争と言えば"戦わなければならない男性"がメインに描かれがちですが、男性を見送って"取り残されてしまった女性集団"が題材だということも、非常に興味深く思いました。私は、そんな女性たちの目線から物語を新たに描きたいと感じたのです。

また、1人の男性を巡って目覚める女性たちの"欲望"についても、決して恥じることなく、自然なものとして描きたいと思いました。

Q.振り返ると女性を描く作品が多いですね。共通点などはありますか?

正直いって、自分でも分析できていません。“こことここは共通”というように、後になってから振り返って、なんとなく思うこともあるのですが…。女性を描くというのは、やはり自分が自然に共感をもてるからだと思います。

Q.描きたいと思う女性像はありますか?

自分自身も共感を持てる女性を描きたいです。決して一面的ではなくて。それと、他の女性にも共感をもっていただけるもの。共感を持ちながら、作品内の女性に対して、ある種のリスペクトを持って観て貰えていたら、とても嬉しいです。

映画『マリー・アントワネット』
 ソフィア・コッポラ監督作品上映、<a href=" https://www.fashion-press.net/news/34390">野外シネマイベント「TORANOMON HILLS OUR PARKS “エル シネマナイト”」</a>より
映画『マリー・アントワネット』
ソフィア・コッポラ監督作品上映、野外シネマイベント「TORANOMON HILLS OUR PARKS “エル シネマナイト”」より

Q.クリエーションを手掛けているとき、息詰まるような場面はありますか?そんな時どうやって新しいアイディアを得ようとしていますか?

脚本を書いているときに壁にぶちあたります。正直に言って得意ではなくて…。どうやって乗り越えているか?という答えに関しては、今の所これといった得策は見つけられていません。

Q.では、どのように脚本を書いていますか?意識していることなどがあれば。

脚本は、自分の周りの人を思い浮かべたり、自分自身の経験を取り入れて書いています。私自身も年齢を重ねたので、自分に近い年代の登場人物も描けるようになりました。

そんな作業の中でも、1番楽しい瞬間は、それぞれのキャラクターの頭の中に入っていって、「彼女はどう考えているんだろう」と想像しながら書くことですね。『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』で言えば、初期の段階から、ニコール・キッドマンやキルスティン・ダンスト、エル・ファニングといたキャストがすぐに頭に浮かびました。

監督業のみならず、人気ブランドMILKFED.(ミルクフェド)の設立やデザイナー、演出家としても近年活躍するソフィア・コッポラ。幅広い分野での精力的なクリエーション活動は、留まることを知らない。そんなクリエイターとしての彼女の頭の中を覗いてみた。

Q.映画のみならず、写真や舞台、ルイ・ヴィトンのバッグ制作など様々なクリエーションに関わっていらっしゃいますが、一連の活動の中で共通することは?

こういったクリエイティビティって何か共通して繋がっているものだと思うんですね。

私は常に自分が欲しいもの、自分が見たいものを基準に作っています。傲慢に聞こえるかもしれませんが、そうじゃないんです。私の好きなものが他の人に気に入ってもらえたら嬉しい、という謙虚な気持ちで取り組んでます。

ソフィア・コッポラの手掛けた<a href="https://www.fashion-press.net/brands/44">ルイ・ヴィトン</a>(LOUIS VUITTON)のSCバッグ
ソフィア・コッポラの手掛けたルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)のSCバッグ
(C)LOUIS VUITTON MALLETIER

Q.クリエイティビティとはどんな存在ですか?

人生を楽しめるひとつのもの。関わるクリエーションによっても、その面白みは異なります。

例えば、映画は、作品を書いてから、だいたい3年はかかります。一方、先に上がったルイ・ヴィトンのバッグのデザインは短期集中。『マリー・アントワネット』という映画を撮って間もなく、ちょうど娘も生まれて、映画が作れないような時期に引き受けました。短い期間でしたがすごく楽しかったです。長期的な作成時間のかかる映画とはまた違いますね。

Q.違うジャンルに踏み出すことのメリットは?

時に自分の安全領域から離れることも良い刺激になります。

舞台『椿姫』の演出を担当できた経験は、さほどオペラ自体に詳しくなかった私にとって、“安全領域から離れて何かができた”という意味で自信になりました。もちろん、ヴァレンティノと間近で仕事ができたことも非常に有意義なことでした。

『椿姫』は、創始者ヴァレンティノ・ガラヴァーニが直々にソフィアに演出をオファーしたことがきっかけで実現した。ヴァレンティノ自身は主人公の衣裳をデザイン。その他のパートも、ヴァレンティノのディレクターが衣裳を担当している。

撮影:ホンマタカシ

Q.女性クリエイターとしてメリットを感じたことは?

正直あまりプラス面はなかったですね。それでも、くよくよしていてもどうにもなりませんし、私は自分のやりたい仕事、作品を追求したいと常々考えています。自分の限界をプッシュできる作品作りは、私の好きなことでもあるんです。

また、全ての女性に伝えたいのは、人の意見に左右されず、まい進していく強さを持って欲しいということ。自分の信じた道を突き進む、諦めない、何を言われてもへこまない、忍耐力や意思の強さが必要だと思います。

Q.女性クリエイターに対するアドバイスがあれば。

映画監督とか映画業界に拘らず、どんな目的をもった女性にも言えることなんですが、とにかく自分の信じた道を突き進む。あきらめない。何か言われてもへこまない。忍耐力や意思の強さが必要です。どんなことを言われても、まい進していく強さを持ってほしいですね。

Q.コッポラさんは、ファッショニスタとしても注目されていますよね。

子供の時からずっとファッションが好きでした。ファッションは、唯一家族から離れて自分で開拓できる分野でしたから。最近は、日本ブランドのsacaiソニア リキエルの新デザイナー、ジュリー・ドゥ・リブランに注目しています。また私の友人マーク ジェイコブスのクリエーションは、いつでも大好きです。

第70回カンヌ国際映画祭で快挙

なお『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』は、2017年5月に開催された第70回カンヌ国際映画祭において、ソフィア・コッポラが監督賞を受賞したのみならず、女学院の園長役を演じたニコール・キッドマンも、カンヌ映画祭記念名誉賞に輝いている。

Photos(9枚)

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