映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』が2017年5月13日(土)より全国ロードショー。サンダンス映画祭で話題になり、その後、第89回アカデミー賞ではケイシー・アフレックが主演男優賞、その他、脚本賞も受賞した。
ボストンでアパートの配管工として人から避けるように孤独に生きていたリー・チャンドラー。漁師の兄ジョーの死をきっかけに生まれ故郷”マンチェスター・バイ・ザ・シー”に戻る。マンチェスター・バイ・ザ・シーとは、ボストンの北東、マサチューセッツ州の海岸部の街の名前を意味する。
兄の死を悲しむ暇もなく、兄が残した16才の息子・パトリックの後見人も引き受けなければならくなった。彼は仕事を辞めて帰郷。多くの不安を抱いていた。心を閉ざしてしまうような辛い過去を抱えていたリーと、思春期真っ只中のパトリック。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』では、兄のいなくなった世界で、2人が懸命に生き、乗り越えようとしていく姿が描かれていく。
主役のリー・チャンドラーを演じるのは、ベン・アフレックの弟で『ゴーン・ベイビー・ゴーン』、『ジェシー・ジェームズの暗殺』のケイシー・アフレック(Casey Affleck)。パトリック役をルーカス・ヘッジズ、 リーの元妻ランディ役をミッシェル・ウィリアムズが演じる。監督・脚本は『ギャング・オブ・ニューヨーク』で脚本を手掛けたケネス・ロナーガン。
プロデューサーはマット・デイモン。もともとマット・デイモンが主演するということで企画が進んでいたそうだが、彼は制作に留まり、主演は古くからの友達ケイシー・アフレックに譲ったと言われいてる。
『マンチェスター バイ ザ シー』は、第32回サンダンス映画祭で発表されてから口コミが評判を呼びヒット。アメリカでは高評価を得ており、ロッテントマトでは支持率97%。ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞でも、最優秀作品賞に選出。
そして、ゴールデン・グローブ賞では、ケイシ ー・アフレックが主演 男優賞を受賞。受賞スピーチでアフレックは、ケネス・ロナーガン監督や共演のミシェル・ウィリアムズはじめ制作陣に感謝を述べつつ、プロデューサーであり、今回の役にケイシーを抜擢したマット・デイモンに「もう今後、君は僕にこういったいい役を紹介してくれなくなるだろうね(笑)」とジョークを言ってデイモンを笑わせ、会場を沸かせていた。
リーの甥パトリック役を演じたのが新星ルーカス・ヘッジズ。ほぼ無名の役者だったが弱冠20歳で、アカデミー助演男優賞にノミネートされた。彼が初めて『マンチェスター・バイ・ザ・シー』の脚本を読んだのは、高校3年生17歳の時だったという。
パトリック役を演じてみて、「僕とパトリックの共通点は、全人類に共通すること―愛だと思います。そして、パトリックと彼の父親の関係は、僕の父親との関係 に似ていますね。僕が思うに、パトリックと彼の父親は親友で、それは僕と僕の父親も同じ。僕は父親と船に乗って釣りには行かなかったけれど、一緒に映画を観たり、キャッチボールをしたりしました。」とコメントしている。
第89回アカデミー賞では、作品賞・監督賞・脚本賞・主演男優賞・助演男優賞・助演女優賞と主要6部門でのノミネートされ、主演男優賞と脚本賞を受賞している。
主演男優賞を受賞したケイシー・アフレックはルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)のタキシード、シャツ、ボウタイ、シューズで登場。シックな印象に仕上げた。
ケイシー・アフレックはアカデミー賞「主演男優賞」受賞に関して、以下のようにコメントを残している。
「私にとって大きな意味をもつ受賞です。ほかの候補の方もとても素晴らしい演技でした。私がここにいるのは、そんな多くの人たちの才能にインスパイアされたからです。そして、この役柄をケネス・ロナーガンが書いてくれたのでここに立つことができました。もっと意義ある大きな事を言いたいのですが、とにかく一緒につくり上げた仲間たちの一員であることを誇りに思っています。(プロデューサーの)マット・デイモン、こういうチャンスを与えてくれてありがとう!」
パトリック役のミシェル・ウィリアムズはルイ・ヴィトンのカスタムメイド・ドレス、シューズ、ブレスレット、イヤリングを着用。デコルテが開いたドレスは、ショートカットの彼女の美しさを、一際引き立てていた。
映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
原題:Manchester by the Sea)
監督:ケネス・ロナーガン
出演:ケイシー・アフレック、ミシェル・ウィリアムズ、カイル・チャンドラー、ルーカス・ヘッジズ
公開:2017年5月シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
(c)2016 K Films Manchester LLC. All Rights Reserved.