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アントワープ王立芸術学院に入学、その後はドリス ヴァン ノッテンの下へ

【インタビュー】注目のデザイナー、クリスチャン・ワイナンツ ‐ 「毛糸から生まれるワードローブ」 | 写真

ご自身がベルギー出身ということもありますが、他の都市ではなくアントワープでファッションを学ぼうと思ったのはなぜですか?

私はベルギーのブリュッセル出身で、そこにもファッションデザインが学べる学校はありましたが、アントワープの学校を選びました。

そのときは、ドリス ヴァン ノッテンらデザイナーが世界から注目され有名になった時代で、私は14、15歳でした。彼らのコレクションに魅了され、ショーを見るため会場を回っていましたが、アントワープのデザイナーや彼らのクリエーションは、自分にとっては魔法のような存在でした。

母校には、ファッションを学ぶために良いプログラムがありました。また私はアントワープ出身の多くのデザイナーに影響を受けていましたし、街そのものも魅力的だったので、そこでファッションデザインを学ぶことを決意しました。

卒業後は、ドリス ヴァン ノッテンで経験を積んだそうですね。

2~3シーズンですね。1年強ぐらいと、そこまで長くはありません。でもファッションを学ぶのに、ベストな学校と呼べるところでした。まずテキスタイルが豊富なんです。インド産の刺繍生地や、ニットウェア、プリント地など。またそこでは新しい技術に対するリサーチも行っていました。

ドリス ヴァン ノッテンでは、あらゆることをすべてブランドが担っていました。シューズデザイナーもいるし、テキスタイルデザイナーもいるし……。とても貴重な経験ができ、多くのことを学べました。

それから、ビジネスについても。ドリスはとても優秀なビジネスマンでもあります。クリエイティブでありながらビジネスの視野もしっかり持っていて、私にとっては、そういったことも興味深かったですね。

デザインだけでなく、ビジネス面についても多くのことを学べましたか?

そうですね。ただひたすら見て、聞いて、観察していました。彼らがどうやって次のコレクションに向けて準備したり、展示会を行ったりしているかということを。

ドリスの下では、フレキシブルに働けたので、その点がよかったと思います。ニットデザインもできるし、アクセサリーもデザインできるし……。私の仕事はニットウェアが主でしたが、ドリスのウィメンズウェアのアシスタントとして、フィッティングなども手伝っていました。

影響を受けたデザイナーやアーティストたち

ドリス ヴァン ノッテンの他に、尊敬する人はいますか?

ファッションだったら、本当にたくさんいますよ。ニコラ・ジェスキエール(NICOLAS GHESQUIERE)とか。彼はユニークで、いつも新しいものを生み出しているから。それからマルタン・マルジェラ(Martin Margiela)も。シュールレアリズムなところや、ユーモアを含んでいるところが、すごく面白いと思いますね。

アー ティストは特に画家なんだけど、南アフリカ出身のマルレーネ・デュマス(Marlene Dumas)や、ピーター・ドイグ(Peter Doig)です。この2人のアーティストの絵画を見ると、色彩やテクスチャーの感性に惹かれます。テーマやメッセージよりもその美的感覚に魅了されます。構成も好きですが、特に色使いが好きですね。

それからフォトグラファーのヴィヴィアン・サッセン(Viviane Sassen)も。彼女にコレクションのフォトシューティングをお願いしたこともあります。彼女はときどきファッション誌のために撮影もしますが、自由に撮ることもあります。

ところで、ベルギーのデザイナーと日本のデザイナー、何か共通するようなものがあると思いますか?

80年代や90年代、ドリスやマルジェラが特に注目を浴びていた時期、彼らは日本人デザイナーと比較されることもありました。似ている、とまではいかないのですが、コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)といったデザイナーたちからも強く影響を受けていたそうです。ベルギーの学校、日本の学校もそれぞれ比較されていたようですね。

ファッションデザイナーを目指した理由

ファッションデザイナーになろうと決めたのはいつですか?

13~14歳ごろでした。いろんなデザイナーのショーを見て、これが自分のやりたいことなんだって。私はドリス ヴァン ノッテンのファンだったので、卒業後に彼の下で働けるということは夢のような出来事でした。

もしこの仕事をしていなかったら、何をしていると思いますか?

両親は、私に建築家になってほしかったんです。ファッションデザイナーではなく。ファッションの道は厳しいですから。親の気持ちとしては、子どもに安定してもらいたいと思ったのでしょう。でも私は「NO!」と言いました(笑)。だからもしファッションデザイナーではなかったら、建築家になっていたでしょう。

あと実は私の祖母は画家で、彼女はとてもアーティスティックな人です。それから父親もとても音楽が好きなので、私の家系はどこか芸術家の血を受け継いでいますね。だから家族は、私がクリエイティブな仕事に就くことに関しては、嬉しいようです。

ブランドの現在とこれから

2013年に、ブランド10周年を迎えたクリスチャン・ワイナンツ。ここ数年で展開店舗の依頼も増え、ビジネス面でも安定しているという。さらに顧客からは、「クオリティが上がった」「着やすくなった」などと、実際に服を着用する人の目線でも、評価されるようになったそうだ。

【インタビュー】注目のデザイナー、クリスチャン・ワイナンツ ‐ 「毛糸から生まれるワードローブ」 | 写真

設立当初と比べ、ブランドはどのように変わりましたか?

10年経って私自身も歳をとるので、いろんなことが変わったと思いますが、ブランドのフィロソフィーは変わっていないと思います。ファッションショーや雑誌で見せるためだけの服ではなく、実際に女性が着ることができるものを作るということです。これは当時も今も同じです。

ただブランドはもっと成長したと思います。自分自身、失敗も含めいろんな経験をしたし、様々な影響も受けました。それからクライアントのこともよく分かるようになったし、強みや弱点なども分かるようになったと思います。

最後に、帰国後の予定を教えてください。

帰ったら、6月に発表するプレコレクションに取り掛からなければなりません。コレクションはパリで6月28日に発表します!

Interview and Text by Kanae Kawasaki

Photos(16枚)

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