京都服飾文化研究財団(KCI)は、「Future Beauty: 30 years of Japanese Fashion」を、2010年10月15日から2011年2月6日までバービカン・アート・ギャラリー(ロンドン)、2011年3月4日から6月19日までハウス・デア・クンスト(ミュンヘン)で開催する。
20世紀後期以降、世界に注目され、明確な位置を築いてきた「Japanese Fashion」をテーマとした同展は、現代の日本文化において最も魅力的で、独自性を持ったジャンルの一つである日本のファッションを多角的に検証する、初めて日本から発信する大規模な展覧会。
左) 山本耀司 1983年春夏 - 広川泰士撮影
右) コム・デ・ギャルソン 1983年秋冬 - 株式会社コム デ ギャルソン寄贈、畠山崇撮影
左・右ともに京都服飾文化研究財団所蔵
1970年代の高田賢三や三宅一生らの活躍に導かれて、1981年、パリにデビューした川久保玲や山本耀司の作品は〈前衛的〉と評され、その表現に賛否両論が飛び交った。平面性、素材の重視、無彩色など、三宅、川久保、山本の作品を特徴付ける表現は、西欧的な文脈に捉われない美意識。しかし、それが抗いがたい強さと正当性を備えていたことは、やがて「Japanese Fashion」が世界で、明快かつ確固たるポジションを獲得したことによって証明される。「Japanese Fashion」は西欧的な美意識の絶対性への再考を促し、それに導かれて、ファッションは新たな地平へと踏み込んでいった。
現在も、渡辺淳弥、高橋盾、栗原たお、そしてさらなる新たな世代を加えて、「Japanese Fashion」は、世界性を持ち続けている。早くから創造性豊かな日本人デザイナーの活動に注目し、その作品収集に注力してきたKCI。そのKCIのコレクションから精選した作品を中心に現代の日本を代表するデザイナーの作品約100点と、映像、写真、印刷媒体などによって構成される「Future Beauty: 30 years of Japanese Fashion」は、20 世紀後期から今日までの日本ファッションの魅力の全貌を改めて照射するもの。展示デザインは、気鋭の建築家、藤本壮介氏が担当する。