小室健作(田中圭)は、太宰治をこよなく愛する平凡な男。妻の美代子(宮澤エマ)と一緒に出席した結婚披露宴の帰り道、偶然にも太宰がかつて心中未遂を起こした海辺に迷い込んでしまう。太宰ゆかりの場所に胸を躍らせた健作は、暗く細い洞窟を奥へ奥へと進んでいく。
やがて辿り着いた先で健作が目にしたのは、まさかの太宰治(松山ケンイチ)本人と、その恋人であるトミ子(小池栄子)。いつの間にかタイムスリップしてしまっていたのだ。しかも、健作はトミ子に一目で心を奪われてしまう。
だが史実によれば、この2人は間もなく心中を遂げる運命。健作は、トミ子を救うために必死の行動を開始する。
三谷幸喜が脚本と監監督を務める完全オリジナルの「完全ワンシーンワンカット」シリーズ。WOWOWで放送された三谷幸喜『おい、太宰』劇場版がテレビの枠を飛び越え、劇場版として映画館のスクリーンに登場する。
足元の不安定な浜辺やドローンを使った撮影など、数々の困難を乗り越え、約100分間一切カメラを止めずに撮り切るという、まさに究極の緊張感の中で完成させた作品となった。