1975年、エベレスト山頂に向かう一人の女性の姿。一歩一歩着実に山頂に向かっていくその者の名前は多部純子。日本時間16時30分、純子は女性として初の世界最高峰制覇を果たした——しかしその世界中を驚かせた輝かしい偉業は純子に、その友人や家族たちに光を与えると共に深い影も落とした。晩年においては、余命宣告を受けながらも「苦しい時こそ笑う」と家族や友人、周囲をその朗らかな笑顔で巻き込みながら、人生をかけて山へ挑み続けた。登山家として、母として、妻として、一人の人間として…。純子が、最後に「てっぺん」の向こうに見たものとは。
映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』は、実在の女性登山家・田部井淳子をモデルに、その生涯を映画化した作品。田部井淳子は、“女性だけで海外遠征を”を合言葉に女子登攀クラブを設立し、1975年にエベレスト日本女子登山隊の副隊長兼登攀隊長として、 世界最高峰のエベレスト登頂に女性で初めて成功した登山家だ。主演を吉永小百合が務め、監督を阪本順治が務める。