「生まれ変わったら、今度こそ、一緒になろうね」。名前も、過去も覚えていない女の目が覚める。舞台は佐渡島。鉱山で清掃の仕事をするキイは施設内で倒れている彼女を発見し、家へ連れて帰る。女は、キイと暮らす少女たちにミドリと名付けられる。キイは館長の許可を貰い、ミドリも清掃の職を得る。ミドリは猫の気配に導かれ、構内で暮らす男、アオと出会う。彼もまた、過去の記憶がないという。言葉を重ねながら、ふたりは何かに導かれるように、寺の山門で待ち合わせては時を過ごすようになる。そんなある日、アオとの親密さを漂わせるムラサキと遭遇し、ミドリは心乱される。
映画『わたくしどもは。』は、佐渡島を舞台に、記憶を失った女と男の謎めいた過去と運命を描く作品。第36回東京国際映画祭のコンペティション部門に選出。監督は富名哲也、小松菜奈・松田龍平がダブル主演。