眞栄田郷敦にインタビュー。眞栄田は2022年10月14日(金)公開の映画『カラダ探し』に出演する。
『カラダ探し』は、小説投稿サイト「エブリスタ」で人気No.1となった携帯ホラー小説。2014年には村瀬克俊による漫画版が漫画誌アプリ「少年ジャンプ+」で連載され、累計閲覧数1億回を突破、コミックスのシリーズ累計発行部数は340万部を超えるほどの人気を博している。
物語の魅力は、謎に満ちた設定と、恐怖が“何度も”繰り返される絶望的なストーリー。深夜の学校に現れる全身血だらけの少女、永遠にやり直しをさせられる恐怖の1日、明日を迎えるための唯一の方法“カラダ探し”など、先の予測できない展開が多くのファンを魅了している。
そんな『カラダ探し』が、待望の実写化。本記事では、主人公・森崎明日香の幼馴染、伊勢高広を演じる、眞栄田郷敦にインタビュー。初挑戦となるホラー作品でのこだわりの役作りや、憧れであったという羽住監督との共演秘話、俳優業に対しての想いに至るまで、たっぷりと話を伺うことができた。
・人気携帯小説を実写映画化した『カラダ探し』。眞栄田さんにとって初のホラー作品への挑戦ともなった本作ですが、ホラーが苦手な人でも楽しめる作品だと思いますか?
僕自身ホラー作品は、もともとそこまで苦手なほうではないのですが、今回の作品はちょっと特殊というか。日本の作品で見られるジメっとしたホラーじゃなくて、エンタメとしてアトラクション感覚で見られるタイプのホラー作品なので、ホラーが苦手な人でも見やすいと思います。テンポの良いループ要素に加えて、キラキラとした青春ドラマであったり、登場人物1人1人の背景や細かい描写があったりと、見終わった後に純粋に面白かったな、あっという間だったなって思える作品だと思います。
・演じられた伊勢高広は、正義感が強く、男女問わず慕われているクラスの人気者ですが、どこか孤独を感じている複雑な役柄でした。役作りで意識されたところは。
脚本を読んで、とにかくかっこいい高広じゃないといけないなって思って、そこを1番意識しました。高広は、クラスの中心人物で友達も多くて、容姿もよくて、スポーツもできてと、“ザ・人気者”。かっこをつけないかっこよさであったり、自然と出るかっこよさを持っている役だったので、それを表現するために細かい仕草や接し方などは、前半かなり気を遣って演じました。
でも後半シーンになってくると、高広の先頭をきって動くところが、自分と共感できて演じやすかったのと、メンバーとの関係性ができてきたこともあって、役をモノにできたというか、自然と役に入り込めていった感覚がありますね。
・体を張ったアクションシーンも印象的でした。
アクションシーンはこだわった部分でもあります。アクション監督さんとどう見せるかディスカッションを何度も重ねました。撮り終えたら映像をチェックしてまた調整してという感じで、一緒に作り上げていきましたね。あとは、高広はどこまでいってもやっぱりかっこいいので、アクションシーンにおいても、そこは崩さないように意識した部分ですね。
・体を張ったシーンでいうと、みなさんが殺されるシーンは思わず目を覆ってしまうものも多かったですね…。
みんなの殺され方をみていて、殺され方もいろんなバリエーションがあるんだなと現場で感じました(笑)。高広は、刺されてしまうシーンがあったのですが、待ち時間はずっとお腹に棒が刺さっていました(笑)
・そんな制作秘話があったのですね!数ある印象的なシーンの中で、特に思い出に残っている場面はありますか。
撮影が後半に入ってくるとメンバーがリアルに仲良くなってきて。6人で浜辺で遊ぶシーンとかクライマックスのシーンとか、みんなが集まって撮影するシーンは思い出に残っています。交わることのなかった6人が絶望的な状況を逆手にとって楽しんでいる。そんな青春の映り変わりみたいなところが、この映画の中での僕のすごく好きな部分です。
・今回監督を務められた羽住監督との共演は、念願だったそうですね。
はい。実は僕、羽住監督の作品を見に行ったことがきっかけとなり、役者の道を志すようになったんです。そのためオファーをいただいた時は、とても嬉しくて。早く羽住監督の映画でお芝居をしたいという気持ちが大きくて、撮影前から気合が入っていました。
・実際にお仕事をされて、羽住監督の印象はいかがでしたか。
羽住監督は、決めたことを撮るというよりかは、僕らから自然と出る、“生”のものをすごく大事にしてくださるという印象がありました。それでいてこだわる部分は、とことんこだわる。撮影中は、そんな妥協せずに作品を作っていく監督の姿を近くで見ることができて、刺激を受ける日々でした。
・例えば、どんなシーンでこだわりを感じましたか。
橋本環奈さんが演じる明日香と、屋上で夕日を見るシーンがあるのですが、夕日に合わせたベストなタイミングに合わせて、カメラの移動やセッティングを含めて、入念にリハーサルして、ワンシーンを20分くらいで撮ったんです。普通であったら、2、3時間くらいかかるシーンだと思うのですが、そのベストな瞬間を逃さないために、素早く撮影されていて、監督のこだわりを感じましたね。あとは、男と男の友情にもすごいこだわりがあって、楓珠くん(=神尾 楓珠)が演じる清宮篤史と力を合わせて戦うシーンは、細かく演技指導していただきました。羽住監督とはまたぜひ作品作りをさせていただきたいです。