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【インタビュー】ティム・コペンズ - NY期待のメンズデザイナーにクローズアップ | 写真

モードの地、アントワープからニューヨークへ渡る

もともとベルギー出身ですよね。なぜヨーロッパではなく、ニューヨークを拠点にしようと思ったのですか?

純粋にNYが好きだったということがあります。15年前に旅行したとき「ここに住みたい!」っていう印象があって、本当に住むことになりました。もちろん他にも素晴らしい場所はあるけれども、そのときの私は、パリでもなくミラノでもなくNYを生活の場にしたかった。学生のときからそうでした。私はアントワープ出身なので、ヨーロッパの都市に行くのも好きですが、大体どんな所なのかよく知っていましたから。

それに、アントワープで勉強する人の多くの人はパリに行って、有名なブランドで働いてから、自分のブランドを立ち上げる。そういった典型的な道を選ばなかったことも、周囲は面白いと思ってくれるようです。ヨーロッパで学んで、NYに住む、そういったコンビネーションは、自分のスタイル、クリエーションにも活かされていますしね。

なるほど。ではニューヨークに来るまでのことについて伺っていきましょう。キャリアのスタートについてお聞かせてください。

アントワープ王立芸術アカデミーを卒業し、アディダスが私に声をかけてくれたことががきっかけです。ドイツにあるアディダスの拠点は、まるで小さな村というか、学校のキャンパスのようなところ。何もなくて、ゴルフコースまであるような綺麗な場所。そこでは都会ではできない「質」の良い生活ができて、クリエーションとは別に自分の方向性を考えることもできました。

そしてアディダスを去り、ニューヨークに渡った。

ええ、アディダスで働いた後、ラルフ ローレンで働くことになりました。そこで、NYに移り住むことに。結局、3年間働いたのですが、そこでは、RLXのチーフデザイナーをしていました。ブランドを立ち上げようと思ったのも、ラルフ ローレンで働き始め時きでしょうか。自分のブランドを持ちたいという気持ちに気づき、「立ち上げる準備していこう!」と。ですので、ブランドを設立する前に、既に最初のコレクションを制作していました。

夜や週末に、自分のブランドについて考えたり準備をしたいたので、2年ぐらいは寝る時間がほどんど無い状態でしたね (笑)

クリエーションとビジネスの両立

ブランドをスタートさせたときの話を聞かせてください。

本格的には、ブランドを立ち上げる半年ほど前からアクションを起こし始めましたが、物事の流れはスムーズでした。ある日、突然「ブランドを始めよう」と思い立ったわけではなく、いろんなきっかけがあったんです。

例えば、ステラ石井に出会ったことは大きな転機でしたね。NYにある彼女のショールーム「The News Inc.」のオフィスを訪ねました。2着のジャケットを見せに。そうすると、もっと見てみたいというので、私は二つ返事で答え、全てのコレクションを見せました。そしてステラはバーニーズ ニューヨークのバイヤーを紹介してくれて…

意見を貰うだけのはずだったのですが、バーニーズ ニューヨークの人々にコレクションを披露すると、お店で扱ってくれるかもしれない…という話になって。

バーニーズの人々が「これとこれとこれの、このサイズとこのサイズを買います!」と言って、突然ビジネスがはじまりました。それは、とても自然な流れて進んでいきましたが、その時の感覚は「明日ジムに行こう」と、頭の中で目先の計画を立てる感じでもありませんでした。それ以前の準備もそうですし、私は、ただただ真剣に自分の服づくりに取り組んでいましたから。

結局、バーニーズ ニューヨークがアイテムをいくつかオーダーしてくれて、「よし!会社を設立しよう」と進んでいきました。

【インタビュー】ティム・コペンズ - NY期待のメンズデザイナーにクローズアップ | 写真 【インタビュー】ティム・コペンズ - NY期待のメンズデザイナーにクローズアップ | 写真
2013年10月、バーニーズ ニューヨーク 新宿店にて2013秋冬コレクションがフルラインナップで展開された。

はじめてブランド「ティム コペンズ」としてのコレクションを発表したときの周囲の反応は?

全体的にとても良い評価をもらえました。誰も私のブランドのことを知らないし、NYにはあまりないテイストだったので驚いていたようです。今は新しいブランドがどんどん誕生する中、生き残り成長しているので、バーニーズ ニューヨークは安心しているのでは?と思います。”新ブランド”として一度きり注目されるのではなく、ビジネスが成り立つことで、彼らからのサポートも続いていきます。バーニーズは、私自身もそうですし、プロダクトやそのディティールについても、いつもポジティブな意見を持ってくれています。

順風爛漫に見えますが、難しかったことなどはありますか?

障害はたくさんありますよ。私は手っ取り早くお金を稼げるタイプの人間ではありません。つまりビジネスの面ですね。コレクションを制作して、それを人に見せて、生産して、それを店頭に並べて…そういったすべてのことを期限を考えて行わなければならない。その上で、お客さんに選ばれるものをつくるというのは、簡単なことではないですよね。どうやってビジネスを拡大するか考えることは難しいし、特にブランドの立ち上げ時は大切だと思います。

ラルフ ローレン、アディダスと大手のブランドでの経験は、今のティム コペンズにリンクしていますか?

もちろん。とても重要でした。例えば、アディダスでの3年間で学んだことは多く、服づくり、特に服の構造や技術的なことなどを身に着けることができたと思います。私がブランドを立ち上げたとき、コレクションを作ったり、売ったりする一連の流れは、大きな会社で学びました。その経験は充分に活かされています。

例えば、若手デザイナーがファッション業界で生き残るには何が必要だと思いますか?

まずコレクションを発表する上で、すべては「服」から始まるのでクリエーションは大切だと思います。ですが、重要なのは、自分のヴィジョンとビジネスのバランス。ビジネスを発展させながら、自分のクリエーションを磨き続けるセンスを持つことですね。デザイナーたちが、ただ服をつくるのではなく、商品を売ってビジネスをするという意識を持つことです。

ちなみに、学生のときに考えていたことは、今と比べ大きく変化したと思いますか?

ええ、かなり。ビジネスに対する視野だけでなく、自分自身のファッションのテイストも変わりました。成長するにつれて、いろんなものを見て吸収していくことで、自分が普段話す会話の内容すら変わりました。特に今、多くの人と関わっていることが大きく影響していて、自分のブランドの土台を築いているように感じます。

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