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リック・オウエンス(Rick Owens)の2020-21年秋冬メンズコレクションが、フランス・パリで2020年1月16日(木)に発表された。リック・オウエンスは、ローズリー・ゴルドベルクが創設した、パフォーマンスアート組織「Performa」を思いながら今シーズンのコレクションを製作。
ランウェイショーは、冷たい冷気と白煙が静まった会場にすーっと広がりスタート。ピンと糸が張ったような緊張感のある会場に足を踏み入れたのは、あまりにも無防備にボディラインをみせたニットルックであった。
上質なカシミヤを使ったボディスーツは、ニット地特有の柔らかな質感でボディラインは露わにし、片方の肩や足などボディの一部分は、ニットがカットアウトされていて露出している。潔いほどにプレーンなウェアであるが足元は、金属製パーツをつま先部分にあしらった、透明ヒールのブーツを合わせて重量感があり、そのアンバランスさがまた、リック・オウエンスの世界へと引き込んでいく。
カシュクールスタイルのニットセットアップやPVC素材のトランスペアレントなアウター、膝丈まで伸びたニットソックスなど、さまざまな方法で重ね着していくが、幾重に重ねてもプロテクション機能が向上せず、いつまでたってもどこか崩れ壊れそうほどにおぼろげである。
突如としてその印象をがらりと変えるのは、90℃の直角ショルダーを持ったアウターだ。パンチの効いたテーラードジャケットやコートは、タイトフィットなニットウェアのか細さを包み込み、パワフルに主張する。カンサイヤマモト(Kansai Yamamoto)から着想したというグラフィカルなラインをのせれば、その力強さも一層増して見える。
これを機にスタイルそのものも変化。レッグラインに寄り添ったタイトフィットなボトムスが多かった序盤に転じて、レザーパンツやセンタープレストパンツはルーズなシルエットに。
アウター群は、多彩なカラーとテキスタイルを味方にバリエーション豊富になっていく。情熱的なレッドとブルーのコントラストの強い配色、目の覚めるようなレモンイエローのアクセント。スネークスキン、レオパードプリントのサテン、魚科のシーウルフを使ったパッチワークやラミネート加工した光沢素材など、豊富なテキスタイルがランウェイに並び、多様性に富んだラインナップとなる。
フィナーレにかけては、序盤のスタイルを忘れさってしまいそうなアグレッシブな印象に。ウールジャケットやレザーアウターの肩周りは従来の位置よりかなり上がって、蝶の羽のように変わり、ピタッとフィットしていたボトムスも、脚の付け根から足首までレッグラインを隠しきったワイドなシルエットに変化している。この変化をリック・オウエンスは、フランスの建築家ル・コルビュジエによるモデュロール と表現。
なお、ヴェジャ(VEJA)とのコラボレーションによるスニーカーは今季もリリース。明るいグレーとイエローの2色を新色として展開する。リサイクルした革新的素材などを使用してスニーカーを作るヴェジャのもと、サスティナブルなフットウェアとなっている。
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