映画『すべて真夜中の恋人たち』が、2026年に公開予定。主演は岸井ゆきの、共演に浅野忠信。
「すべて真夜中の恋人たち」は、2008年「乳と卵」で芥川賞、2019年「夏物語」で毎日出版文化賞を受賞し、国内外にファンがいる川上未映子による初の恋愛小説。人との関わりを拒み孤独に生きてきた主人公の冬子が、年上の男性三束と出会うことで、自らの孤独や感情と向き合う姿が描かれる。
そんな不朽の恋愛小説とも称される「すべて真夜中の恋人たち」が、岨手由貴子がメガホンをとり実写映画化。シスターフッドと徹底した人物描写が話題を呼んだ『あのこは貴族』を手掛けた監督だ。女性の心の機微を丁寧に描いてきた岨手により、川上文学の鋭くも柔らかい繊細な物語を徹底したこだわりと深い敬意をもって映像化する。なお岨手にとって約5年ぶりの長編映画、そして原作者の川上にとっては初の長編小説の映画化となる。
主演は岸井ゆきの。フリーの校閲者で人との関わりを避けながら孤独な生活を送る主人公・入江冬子を演じる。岸井は、作品のオファーを受ける前から原作小説のファンだったという。一人の男性と出会い、自らの孤独や初めて芽生えた感情と向き合う等身大の女性をどのように演じるのか、スクリーンでみるのが待ち遠しい。
共演には浅野忠信。ひょんなことから冬子と出会い交流を深める物理教師・三束を演じる。日常で偶然出会い、ささやかな幸せを共有しあう冬子と三束の繊細な距離感に注目だ。
岸井ゆきの:川上未映子さんの小説が大好きで、様々な媒体でお話しさせていただくほどでした。『すべて真夜中の恋人たち』は、私の中であまりにも完成されていて、映画になることもその主人公を担うのも不安が大きく難しいと感じましたが、この物語が映像として立ち上がるとき、冬子として立っていたいと思いました。大好きな原作の文字のイメージから抜け出すのには試行錯誤しましたが、目の前にいる監督やスタッフと今そこに在るものを信じて、16ミリフィルムに閉じ込めることが出来ました。原作を愛するすべてのみなさまにもう一度冬子に出会っていただきたく、まだ冬子を知らないみなさまには、この世界を知ってほしいです。
浅野忠信:『すべての真夜中の恋人たち』公開決定!とても嬉しいです!三束さんという役を演じるにあたり、彼の秘密をとことん考えました。しかしこの役をより確かなものにできたのは岸井ゆきのさんが演じる入江冬子さんがいたからです。そして岨手由貴子監督に自分の作った三束さんを理解していただき共にフィルム撮影できる事でより深く作品を表現できたと思っています。
【作品詳細】
映画『すべて真夜中の恋人たち』
公開年:2026年
監督・脚本:岨手由貴子
出演:岸井ゆきの、浅野忠信
原作:川上未映子「すべて真夜中の恋人たち」(講談社文庫)
製作:『すべて真夜中の恋人たち』製作委員会
製作幹事・配給:ビターズ・エンド