特別展「冨田伊織 新世界『透明標本』展」が、2025年7月10日(木)から10月5日(日)まで、東広島市立美術館にて開催。スペースLABO(北九州市科学館)でも開催された巡回展だ。

生き物の神秘に迫る「透明標本」展

透明骨格標本は、小さな生き物の骨格を研究するために確立された手法。生き物の姿かたちがそのままの状態で、進化の過程や生きるための能力など、多くの情報が詰め込まれた“骨格”を観察することができる。

冨田伊織は、北里大学水産学部在学中、研究用の透明骨格標本に魅せられたことをきっかけに独自に制作を始め、2008年に透明標本作家として活動を開始。タンパク質を酵素で分解し、肉質を透明、硬骨を赤紫、軟骨を青色に染色する骨格研究の手法をもとに、透明骨格標本を芸術的な表現へと昇華させている。

“アート空間”で見る透明標本

「冨田伊織 新世界『透明標本』展」では、富田が手がけた透明標本を、ライトアップやプロジェクターを用いた幻想的なアート空間で展示。見知った姿とは異なる、生き物の根源的な姿との出会いを楽しめる。

また、哺乳類、両生類など生物の分類をもとに、学術的な観点から様々な生き物の骨格について紹介するパネル展示も用意。透明標本になることで見えてくる、生き物が自然界で力強く生きる姿に注目だ。

透明標本のライティングショーも

展示の最終コーナーでは、音と映像による透明標本のライティングショーを実施。色とりどりの光に照らされた透明標本が、神秘的な音色とともに浮かび上がる。さらに東広島会場では、初公開となる「光ラボ」も登場。タッチパネルでライティングの色を変化させながら、透明標本をじっくり観察してみては。

展覧会概要

特別展「冨田伊織 新世界『透明標本』展」
会期：2025年7月10日(木)～10月5日(日)
会場：東広島市立美術館3階展示室
住所：広島県東広島市西条栄町9-1
時間：9:00～17:00
※入館は閉館30分前まで。ただし7月10日(木)は10:00開館、7月26日(土)、8月16日(土)、9月13日(土)、10月4日(土)は19:00まで開館。
休館日：月曜日(祝休日の場合は翌平日)
観覧料：一般 1000(800)円、大学生700(560)円、75歳以上・高校生以下は無料
※( )内は当日券に限り20名以上の団体割引料金。
※身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の交付者は無料で観覧可能。
※学生割引や無料観覧の対象者は学生証または年齢を確認できる証明書を要提示。
ウィズこどもデー観覧料：一般 800円、大学生 560円
※会期中の毎週土曜日、高校生以下のこどもを同伴する保護者(2名まで)は当日料金より2割引。
※学生証を要提示。他の割引と併用不可。

【問い合わせ先】
東広島市立美術館
TEL：082-430-7117