エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)は、2026年春夏メンズコレクションを、イタリア・ミラノにて2025年6月21日(土)に発表した。
デザイナーのジョルジオ・アルマーニは「ORIGINS」をテーマに掲げ、装いによる自己表現への情熱を再定義。自身のアイデンティティを振り返り、美学の原点である“異文化への純粋な関心”に焦点を当てる。今季は、アフリカ文化に見て取れるアイディアを探求。アフリカ現地の職人技や色彩、モチーフにオマージュを捧げつつ、アルマーニのしなやかに流れるようなシルエットに重ね合わせている。
たとえば、布地をたっぷりと使ったロングブラウスやガウン、地肌に直接着るジャケットやベスト、空気を含むように曲線的に仕上げたワイドパンツなど、アフリカにおける衣服を彷彿させるシルエットが散見されている。特にジャケットは多彩な形が提案されており、前合わせを紐で結んで留めるデザインやウエストのベルトを結ぶデザイン、ストールと一体化したジャケット、ネックラインが大きく開いた1つボタンのノーカラージャケットなど、豊富なバリエーションを見て取ることができる。
テーラードジャケットやブルゾンにはリネン地を用いて軽快に。通気性が良く、上品なクレープ素材のジャケットやパンツも登場している。
随所に散見されるのは、華やかなテキスタイルだ。絢爛なモロッコのモザイクを彷彿させる幾何学模様のセットアップは、スモーキートーンのレッドカラーで温もりを演出。また、メタリックジャカードのジャケットやパンツ、ブロンズのような色彩のシャツなどにも、規則的に並ぶ幾何学柄が配されている。この他にも、金色を織り交ぜた植物柄のセットアップや、艶やかなパープルのガウン、影から模様が浮かび上がるような仕上がりの抽象柄ブラウスなど、奥深い表情のテキスタイルが登場している。
職人技の光る、ビーズやシルク糸によるきらびやかな刺繍を施したウェアはひときわ神秘的な輝きを放っていた。前立てにビーズ刺繍で模様をあしらったスタンドカラーシャツや、ビーズ刺繍のベスト、緻密にビーズを並べて波面のような模様を描き出したシャツなど、リュクスなルックが展開されている。
テキスタイルだけでなく、ディテールにもデコラティブな要素が数多く用いられている。ジャケットに配されたフリンジや、ジャカードベストを彩るタッセルは装いに躍動感をプラス。風合い豊かなスエードコートにはスタッズを並べ、ニットにはビーズを装飾した。メタルパーツの並ぶネックレスや、深めにかぶった麦わら帽子、ジャケットスタイルに加えたフェザーモチーフのショールなど、小物も存在感を放っている。
なお、ショーの冒頭にはスポーツウェアライン「EA7 エンポリオ アルマーニ」のルックも登場。カモフラージュ柄や、カーキをはじめとするアースカラー、柔らかなパープルと、自然の風景と調和するような色彩を基調に、ストイックなムードのテクニカルウェアを披露した。マウンテンパーカをはじめ、ポケット付きハーネスを配したバックパックや、紫外線から皮膚をプロテクトするためのパーツがあしらわれたキャップ、頭から首にかけてを覆うストールなど、砂漠をわたり歩く旅人を思わせるアイテムが展開されている。