魚豊の漫画「チ。-地球の運動について-」が舞台化。2025年10月8日(水)から26日(日)まで東京の新国立劇場 中劇場にて上演され、11月には愛知・御園座、広島・呉信用金庫ホール、大阪・梅田芸術劇場、福岡・J:COM北九州芸術劇場にてツアー公演が行われる。窪田正孝、三浦透子、森山未來らが出演。
魚豊(うおと)の漫画「チ。-地球の運動について-」は、地球の真理を知ることに魅せられ、“地動説”を証明することに自分の信念、そして命を懸ける人間たちの姿を描いた作品。2020年より「ビッグコミックスピリッツ」にて連載をスタートするやいなや人気を呼び、NHK総合にてテレビアニメ化もされた。
物語の舞台は、15世紀のヨーロッパ。飛び級で大学への進学を認められた神童・ラファウは周囲の期待に応え、当時最も重要とされていた神学を専攻すると宣言するも、天文への情熱を捨てられずにいた。ある日、ラファウは謎めいた学者と出会う。彼は宇宙に関する仮説“地動説”を研究し、異端思想に基づく禁忌に触れたため拷問を受け、投獄されていたという。ラファウは彼の“地動説”に大きな衝撃を受けるのだった。
舞台『チ。-地球の運動について-』では演出を、ミュージカル『100万回生きたねこ』や百鬼オペラ『羅生門』を手がけてきたアブシャロム・ポラックが担当。身体表現と芝居、そして歌や演奏を融合させた、新たな『チ。-地球の運動について-』の物語を構築する。
脚本を手掛けるのは『近松心中物語』の長塚圭史。長塚圭史は脚本について「全てのキャラクターが魅力的に立ち上がっていく」と前置きしつつも、特にノヴァクというキャラクターに注目したという。異端審問官のノヴァクは周りが追い求める真理への情熱や欲望とは距離を置き、徹底的に俗世を生きる人物。ノヴァクを起点に、『チ。-地球の運動について-』に演劇としての息を吹き込んでいく。
また、衣裳はソマルタ(SOMARTA)の廣川玉枝が担当する。
キャストには、存在感を放つ個性的な俳優陣が集結。『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』で主演を務めた窪田正孝をはじめ、『ロスメルスホルム』や映画『ドライブ・マイ・カー』の三浦透子、『ハリー・ポッターと呪いの子』でハリー・ポッター役を演じる大貫勇輔が出演を果たす。また、吹越満、成河、森山未來、吉柳咲良もキャストに名を連ねており、演技だけでなく身体表現にも定評のある俳優が勢揃い。大貫、吹越、成河、吉柳は複数の役柄を演じる模様だ。
オクジー…窪田正孝
この世に期待を持たず空を見ることを恐れている代闘士。
ヨレンタ…三浦透子
天文研究に熱中するが、女だからと全うできずに悩む。
グラス…大貫勇輔
オクジーに未来への希望を受け渡すことになる人物。
ドゥラカ…吉柳咲良
過去の不幸から、金を稼ぐことに執着する移動民族の娘。
アントニ…吹越満
司教の息子ながら、教会の方針に疑念を持ちノヴァクを敵視する人物。