特別展「近代輸出漆器のダイナミズム—金子皓彦コレクションの世界—」が、神奈川県立歴史博物館にて、2024年4月27日(土)から6月30日(日)まで開催される。
なめらかで深みのある漆の黒に、蒔絵や螺鈿が華やぎを添える漆器は、日本工芸の真髄であるといえる。明治時代に入ると、漆器は海外でいっそう注目を集めるようになり、西洋の趣味を反映した品々の輸出が本格化することに。日本国内の各産地では、小箱といった小さな土産物から、衝立や飾棚などの大きな家具まで、さまざまな漆器が制作されることになった。
こうしたなか、横浜は輸出漆器の中心地となった。国内各地の漆器が集められ、輸出される貿易港を擁するばかりでなく、各地の漆器商や職人が移り住み、有数の漆器産地へと発展したのだ。とりわけ、貝や象牙などを用いて、細工が立体的に浮かび上がるよう仕上げた「芝山漆器」は、横浜の漆器を代表するものである。
特別展「近代輸出漆器のダイナミズム—金子皓彦コレクションの世界—」は、芝山漆器に加え、静岡や会津などの産地で制作され、横浜から海外へ渡った輸出漆器を中心に紹介する展覧会。輸出工芸のコレクターとして、主に海外で蒐集してきた金子皓彦のコレクションを中心に、近代輸出漆器の全貌を紹介する。
また、当時は漆器と括られることもあった、寄木細工や木象嵌といった輸出向けの木工芸も展示する。
特別展「近代輸出漆器のダイナミズム—金子皓彦コレクションの世界—」
会期:2024年4月27日(土)~6月30日(日)
会場:神奈川県立歴史博物館 1F 特別展示室、コレクション展示室
住所:神奈川県横浜市中区南仲通5-60
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(祝日は開館、ただし4月27日(土)~5月6日(月・振)は連続開館)
■観覧料
・特別展・常設展セット料金
一般 1,100円(1,050円)、20歳未満・学生 700円(650円)、65歳以上 250円、高校生 200円、中学生以下 無料
・特別展
一般 900円(800円)、20歳未満・学生 600円(500円)、65歳以上 200円(150円)、高校生 100円、中学生以下 無料
※( )内は20名以上の団体料金
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者福祉手帳、ミライロIDの提示者および介助者(原則2名まで)は無料
【問い合わせ先】
神奈川県立歴史博物館
TEL:045-201-0926