香川のベネッセアートサイト直島に、新たな美術館「直島新美術館」が誕生。2025年5月31日(土)に開館する。
瀬戸内海の直島、豊島、犬島に展開されている「ベネッセアートサイト直島」。クロード・モネをはじめ3人の作家の作品を安藤忠雄設計の建物に恒久設置している「地中美術館」、美術館とホテルが一体となった「ベネッセハウス ミュージアム」、李禹煥と安藤忠雄のコラボレーションによる「李禹煥美術館」、そして内藤礼と西沢立衛による「豊島美術館」などのアート活動を展開している
新たに誕生する美術館「直島新美術館」は、ベネッセアートサイト直島において建築家・安藤忠雄が設計を手がける、10番目のアート施設だ。丘のラインを緩やかに繋ぐように大きな屋根を特徴とする、地下2階・地上1階の建物であり、展示スペースやカフェ、瀬戸内海を臨むテラスを擁している。
同館では、日本を含むアジア地域のアーティストの代表作やコミッション・ワークを中心に展示・収集。恒久展⽰の多いベネッセアートサイト直島において、直島新美術館では一部を除き、ギャラリーごとに異なるサイクルで展⽰替えを⾏ってゆく。
開館とともにスタートする「開館記念展示—原点から未来へでは、⽇本、中国、韓国など、アジア地域出⾝の著名アーティストや新進気鋭の作家、12組を紹介。会田誠や村上隆、蔡國強などが出品し、この場所に合わせて構想された新作や代表作を、ギャラリー空間やカフェ空間などに展示する。
たとえば、2023年に国立新美術館で個展を開催した蔡國強(ツァイ グオチャン)は、2006年のベルリンでの個展のために制作した《ヘッド・オン》を中心に展示。同作は、99体の狼の群れが全力で走り、ガラスの壁にぶつかる大型インスタレーションだ。ガラスの壁は、ベルリンの壁と同じ高さに設定されており、人と人、異なる集団の間に存在する、不可視ではあるものの確かに存在するイデオロギーや隔たりを象徴するものとなっている。
また、韓国に生まれ、現在はイギリスを拠点に活動するソ・ドホは、自ら暮らしてきた居住空間を布で再現した作品に、直島の民家の廊下部分を新たに加えた代表作「Hub」シリーズを展示する一方、インドネシアを代表するヘリ・ドノは、数十年にわたる画業を反映した10枚組の大型絵画を公開。サイト・スペシフィックな新作や、安藤の建築空間に呼応する代表作などを目にすることができる。
直島新美術館
開館日:2025年5月31日(土)
住所:香川県香川郡直島町3299-73
開館時間:10:00〜16:30(入館は16:00まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館し、翌日に休館)
※不定休あり
入館料:オンライン購入(日にち指定) 1,500円、窓口購入 1,700円、15歳以下 無料
※瀬戸内国際芸術祭作品鑑賞パスポート対象施設
※チケットについては、ベネッセアートサイト直島 美術館予約サイトを参照
■「直島新美術館 開館記念展示—原点から未来へ」
会期:2025年5月31日(土)~
※一部は2026年2月以降に展示替え予定
展⽰アーティスト:会田誠、マルタ・アティエンサ、蔡國強、Chim↑Pom from Smappa!Group、ヘリ・ドノ、インディゲリラ、村上隆、N・S・ハルシャ、サニタス・プラディッタスニー、下道基行+ジェフリー・リム、ソ・ドホ、パナパン・ヨドマニー
【問い合わせ先】
福武財団
TEL:087-892-3754