「彼女の想いで」
2092年。宇宙ゴミの回収と破壊を請け負う4人組が、帰還途中に救難信号をキャッチし、正体不明の浮遊物を発見。巨大なバラの形をした旧型宇宙船に乗り込むと、天才ソプラノ歌手が生み出した「幸せな思い出」の幻影に取り込まれていく。
「最臭兵器」
冬の甲府盆地。サラリーマンの田中信男は、カゼ薬のつもりである「薬」を服用してしまう。それは極秘開発の新薬で、服用者の体から発生するガスが周囲の生物を一瞬で意識不明にする兵器だった。東京へ向かう田中の進行を止めるため、自衛隊と米軍が動く。
「大砲の街」
テレビは連日、敵への攻撃成果を報じ、学校では子どもたちが軍事教練を受けている。舞台は、無数の重装備を備えた巨大な移動砲台都市。大砲を撃つためだけに暮らす住人たちの世界で、花形の砲撃手を夢見る“少年”のいつもの1日が始まる。
『MEMORIES』は音・画・演出の三方向から“短編アニメの到達点”を更新したオムニバス映画。「アキラ(AKIRA)」の大友克洋原作をアニメ化。監督・森本晃司、脚本・今敏による「彼女の想いで」。岡村天斎監督による「最臭兵器」、大友克洋監督による「大砲の街」の3本で構成。1995年に劇場公開された作品。