ジョン ローレンス サリバン(JOHN LAWRENCE SULLIVAN)の2023年秋冬コレクションが発表された。
今季のジョン ローレンス サリバンの着想源となったのが、アメリカの写真家アーヴィング・ペン(Irving Penn)によるポートレート写真だ。1917年に生まれたペンは、1943年より『VOGUE』に携わり、以後70年近くにわたって各国の誌面や広告を中心に写真を撮影。その作品は、簡潔な表現のなかに洗練された雰囲気を湛えている。
ペンは、マルセル・デュシャンやジャン・コクトー、サルバトール・ダリといった人物のポートレートを手がけている。彼らはテーラードスーツに身を包み、研ぎ澄まされた画面構成ゆえにひときわ強い存在感を示す。それを反映するようにして、メンズのテーラリングは、端正なセットインショルダーを基調に、身幅は決して広すぎない洗練されたシルエット。他方でパンツにはボリュームを持たせ、シューズにはグラウンズ(grounds)とのコラボレーションによるブーツを合わせるなど、下方に量感を置いたシルエットが特徴だ。
洗練されたシルエットには、ディテールで存在感あるアクセントを。テーラードジャケットやライダースジャケット、MA-1には、リング状のファスナーを採用。また、レザーパンツなどには編み上げによってラインを描きだした。
素材には、テーラリングの端正な仕立てに呼応するウールサテンをはじめ、温かみのあるフランネル、ピークドラペルのダブルブレストコートなどに用いた太畝のコーデュロイなどを採用。一方、トップスやパンツに用いた柔らかなヴィーガンレザーや、光沢を帯びたベロアなど、ジョン ローレンス サリバンらしいフェティシズムを感じさせる素材も使用されている。
ウィメンズにおいては、フェティシズムの感覚はいっそう強い。テーラードジャケットやチェスターコートはエレガントなフォルムに仕立てつつ、バックにはコルセット状に編み上げのデザインを採用。また、艶かしく光沢を帯びたパンツや、タイトなシルエットに大胆なスリットを施したスカートやワンピースを展開している。